作画監督紹介

杉野昭夫（すぎのあきお）

１９４４年９月１９日北海道札幌市生まれ
１９６１年、貸本創画誌「街」「影」に投稿を開始。
セミプロマンガ家としての活動を経て、１９６４年、投稿仲間である真崎守氏の薦めで虫プロに入社。
同社で「佐武と市捕物控」「あしたのジョー」などの作画監督を務める。
１９７２年に独立し(有)マッドハウスの設立に関与。 １９８０年、「あしたのジョー２」の制作開始にあたり、出崎統氏とともに(有)あんなぷるを設立。
現在は手塚プロの諸作品で活躍中。
代表作は「あしたのジョー」
「エースをねらえ！」
「家なき子」
「宝島」
「あしたのジョー２」
「コブラ」
「ブラックジャック」
（すべて作画監督）

北野英明氏（パイロット２作目作画監督）や佐々門信芳氏が、すでにパイロット時に色々なキャラを描いていて、それらの絵をは違ったモノを描いて欲しいと依頼される。

出崎監督からは再三に渡って絵が幼いと指摘される。
鉄腕アトムの様なギョロッとしている目ではなく、自然体の”目”まぶたと下まぶたがくっついているような、アレをベースにと言われる。

鼻は最後まで抵抗があった。
未だにみんなにピノキオみたいな鼻と言われる。

丸山氏からは荒木氏の持つ劇画タッチにナイーヴな部分を足して欲しいと要求される。

金山明博（かなやまあきひろ）

１９３９年２月２５日東京都生まれ。
１９６５年４月、虫プロ入社。
同社で「わんぱく探偵団」「あしたのジョー」などの作画監督を担当。
その後フリーとなり、サンライズスタジオ（後のサンライズ）で、「超電子ロボ　コン・バトラーＶ」「超電磁マシーン　ボルテスＶ」「闘将ダイモス」「未来ロボ　ダルタニアス」といった一連のロボットアニメに参加。
アニメーションキャラデザインや作画監督として活躍し、後の同社ロボット物の礎を築いた。
代表作は他に「無敵ロボトライダーＧ７」（作画監督チーフ）
「戦闘メカザブングル」（作画監督）「仮面の忍者　赤影」（キャラデザイン）
「鎧伝サムライトルーパー」（作画監督）など。

力石とジョーの絡みのシーンは金山・・・と決められていた。
豚のシーンを始め、群衆（モブ）シーンは得意だと思われ、担当を任される。

担当キャラは設定から力石。
荒木氏の描く岩の様な段平は描けないし、杉野氏の様な若竹の様なシャープなジョーの動きも見事。
ニヒルなアウトロータイプの絵が得意と思われて、力石を任される事に。

得意キャラ
力石。
苦手キャラ
サチやドヤ街の人々

得意な動きについて
杉野氏はシャープな動き
荒木氏は豪快な動き
金山氏は早いタイミングの動き

♪金山明博氏シングルレコード描きおろし♪

荒木伸吾（あらきしんご）

１９３９年１月１日名古屋生まれ
１９５５年、貸本劇画誌「街」でセミプロマンガ家としてデビュー。
その後、真崎守氏から誘われ、１９６５年に虫プロに入社。
「ジャングル大帝」「ジャングル大帝　進めレオ！」等の原画担当後、仲間数人と作画スタジオジャガードを設立。
「巨人の星」の原画、「あしたのジョー」の作画監督を担当する。
１９７０年からは、東映動画作品にもフリーの立場で参加。
１９７５年春、(有)荒木プロを設立する。
代表作は「キューティーハニー」「ベルサイユのばら」「聖闘士星矢」
「遊☆戯☆王」（以上全てキャラデザイン、作画監督）

虫プロの正社員として１年半在籍した後、秋津に創設されたジャガードに移籍。
ジャガードは当時、虫プロの仕事も受ける一方で、東京ムービー作品『巨人の星』も関わる。
ジョーへの参加は『巨人の星』がきっかけ。
設定の丸山氏がジョーもこのタッチでと声をかける。

ジョーを飛雄馬の手の様にゴツゴツ描いてしまい、叱られ、もっとしなやかにと注意される。
その為、ジョーが太ったり、飛雄馬が痩せたり・・・。

出崎監督より、４話のジョーを打ちすえる
段平のパンチが当たる時、それは拳の強さや当たったジョー側の痛みだけでなく、殴る段平の悲しみまでとらえて欲しいと注文される。
結果は”迫力はあるけどここまで描いたら行き過ぎ”と言われる。

注意されたのはジョーの目の表現。
出崎監督曰く”荒木さんの描く閉じた目はいいんだけど、開いたときの目の表情をもっと出して欲しい”と言われる。

キャラについて
描きやすかったキャラ段平と西。
力石は変に大人臭くなっちゃいました。
ジョーは描きやすかったけど、完全に自分のジョーになってしまった。 杉野氏に会うと何とはなしに気まずくなって・・・。

♪荒木伸吾氏シングルレコード描きおろし♪

★補足★

＜松田信男氏について＞
*昭和２７年生まれ、岩手県出身
*昭和４４年１２月～４５年１月頃虫プロ入社
*「あしたのジョー」第３７話　動画　
*以下推測、虫プロ倒産まで在籍していたとの事ですので「ムーミン、アンデルセン、さすらい、国松、ワンサ君」の作画。
*「劇場版　あしたのジョー」の表記については再編集のつなぎシーン担当
※劇場版１のエンドクレジットで４人目として追加された作画監督。
ＴＶシリーズでは杉野作画の３７話動画で参加したのみ。
ＴＶ放送終了から約１０年後に劇場１の新規追加カット（ジョーの叫び）を描いたと思われます。