あしたのジョーファンサイトSOUL OF JOE

『熱きこぶしに涙をながせ!』

★第4話/1970年4月22日放送/視聴率14.3%★

ストーリー

ドヤの子供達も巻き込み詐欺で集めた寄付金は、
全国から100万円集まった。
(この際、葉子は個人で20万円寄付)

ジョーが段平の決めたスケジュールを全然こなさず、
子供達を使い、全国から善意のお金を巻き上げた詐欺行為を
知った段平は怒りで身が震える。

警察から逃れて子供達と逃亡したジョーは廃墟ビルに立てこもる。
段平は危険覚悟で廃墟に単身潜り込む。
ジョーをKOし、悲しみの中で警察にジョーを渡すのであった・・・。

詳細&マニアック視点

●新聞記事アップ
サブタイトル被る。
”死んだ母の志をつぐ 矢吹丈くんは語る 養護施設の子供たちを守って”
この写真は3話の段平が見ていた写真と違い、葉子は移ってません。
しかも、白木邸に来なかったはずのチビ(原作ではゴンベ)が写ってます。(^_^;)

新聞をT.Bしその新聞を見ている段平なめカットになります。
新聞をみている段平の祖まで職場同僚が丈の話題をしている。
全国から100万のお金が集まり、葉子だけでも20万出したとの事。
この現場では丈が段平と一緒に暮らしている事を職場同僚は知っており、
『段平さんよぉ、お前さんも幸せもんだねぇ!そんな立派な少年と一緒に暮らしていて』
と言われる。
しかし、ジョーのやつこんな詐欺みたいな事しやがって!・・・と激しく新聞を破く。
(この行為を回りの人間は見てなかったでしょうか?)

●白木邸
門。表札には”白木幹之助”とある。
葉子に新聞の記事は嘘だったと伝える記者達。
(ロングショット時の葉子はボレロが白く塗られる)
嘘800の記事で内部でも波紋があることを葉子に愚痴る記者達。
『この責任は必ず私が取ります!矢吹丈の事は必ず私にお任せください!
捕まえて必ず謝罪文を書かせます!』ときっぱり
言う葉子。

●大笑いのジョーアップ。
子供達の前で詐欺の件について余裕の一言。(チビいます)
『わっはっはっはっは。何をビクビクしてやがんでぃ!
お前達に親がいようが孤児だろうが、貧乏している事に変わりねぇんだ!
それに同情して日本中から金が集まるんだ。素直に受け取るんだ!素直に!』
でも、やりすぎという太郎に”俺の目標は1億”と答えるジョー。

●廃墟内に子供達を呼ぶジョー。
一番目が輝いているサチが一番で入り、仲間を誘導。
ジョーの大げさな発想にちょっと不審な太郎に対し、サチは完全にジョー派。
ごちゃごちゃ言う太郎にも一喝!

●金庫と机のある部屋にみんなを連れてくる。
”目の保養”と題し、金庫を空けるジョー。
中にはお札の束。
『これ全部千円札だぞ!』の声はおそらくチビ。
すげ~!と興奮する子供達。
(厚さ1cm程にされている紙幣は100枚とし、お札が1000円なので一束10万円。
画面で確認する限り11束以上あります。)

こんな微々たる金ではなく1億の金が必要な理由を語り出すジョー。
窓を開け、外の景色を見下しながら話すジョー。
(予告編で使われてるBGM♪おそらくこのシーンのみ)

『夢の大計画』名付けて”ジョーパラダイス”
太郎の自宅付近は取っ払い、どでかい遊園地を計画。
その隣にオールただの病院。
飲み屋街は養老員に作り替え、その隣が保育園。
ポンコツ屋もどいて貰って、5F建て近代的マンション風アパートを建設。
川沿いには工場を建てる。
工場ではドヤ街の仕事にあふれた連中に働く喜びと収入を与える。
これで完全に貧乏を追放。
計画の壮大さに度肝をまく子供達・・・しかしサチが大賛成!
この一言で夢実現の旗揚げ。
子供達に立派な背広を作るべくお金を持ち出かける。
(2つの束・・・20万円)

●怒りが頂点に達した段平は職場を抜け出し、ヘルメット姿のまま自宅へ向かう。
『ちくしょう!ジョーのやつめぇ!』
小屋に付きドア(ここからドアになります)を開ける段平。
しかし、ジョーは不在。
『よくも俺をコケにしやがって!見つけたらただじゃおかねぇからな!
覚悟しやがれ!ぶち殺してやる!』
怒り爆発の段平。
しかし最後には”面倒を起こさねぇでくれぇ”と泣きながらサンドバッグにすがる段平。

●テーラーカタヤマ
入り口にはクローバーの大きなマーク。
子供達の服を作ってくれない店主人。
100年を誇る老舗で日本有数のテーラー。
国会議員も愛用する店。

金はあっても誰かの紹介でもないと作って貰えない所に腹を立て食いかかるジョー。
意地でもここで議員先生と同じやつを作る・・・と。

葉子がテーラーカタヤマに入ってくる。
(BGにZEUXという看板が見える)

白木財閥の紹介なら作ってくれるとの事で、葉子に紹介を依頼するジョー。
しかし、いきなり平手打ちをする葉子(左手)
『謝りなさい!大嘘つき!』
『そこに手をついて謝るのです!ちゃんと!』
『謝れば今度だけは忘れてあげます!謝りなさい!』
葉子怒りの剣幕。
しかしジョーは”やかましい”と逆ギレ。
『何が謝れだぃ!俺のペテンにまんまと引っかかった大馬鹿野郎が!利口面すんな!』
と言うジョーに対し、葉子は反省すれば警察沙汰にはしないとを言う。
子供達は”警察”の一言で怯え、ジョーに謝罪を命じるが、逆に反発。
”ポリ公でもパトカーでも呼んでこい!”と叫ぶジョー。
立ち去る葉子に、警察沙汰にすればてめえの大馬鹿ぶりを世間に発表する様なもの・・・と、
余裕のジョー。
『そんな真似はとてもできねぇよな、そうだろ!ねぇちゃん!』と葉子に叫ぶジョー。
『あなたって人間のクズだわ!』と言い残し立ち去る葉子。
怒ったジョーは近くにあった糸コイルを投げつける。
ガラスを突き破るが葉子まで届かず。
『ポリ公に言っとけ!怪我したくなかったら俺に近づくな!』と叫ぶジョー。

●車に乗り込んだ葉子。
葉子は運転手にすぐに警察に行くように命じる。
(車ナンバー 品川-5 そ 20-00)

●夜になり帰宅する段平。
突然ライトで照らされる段平。
(ライトは透過光処理でなく、簡単なブラシ特効処理)
丈を警察に留置している事を伝えに来る警官(所長)。
保護者である段平に同行を求める。
詐欺の容疑で逮捕。
『あんにゃろう・・・とうとう行くとこまでいっちまいやがった・・・』
(真っ暗になり右目だけになりその周りを汗が流れる演出)


Bパート
●パトカーに一緒に乗って警察に同行する段平。
(品川○ た 5-37)
警察入り口前は凄い人だかりに。
中は倒れた警官が十数名・・・。
ジョーは取り調べ中に暴れてそのまま逃走。
(子供達が投石でジョーを援護)
悪質な為、少年院6ヶ月と言い渡される。

・・・ジョーが廃墟に立てこもった事が連絡される。

●廃墟。
ライトアップされる廃墟窓
『矢吹に次ぐ、矢吹に次ぐ・・・よ~く聞きなさい!
速やかに自首しなさい!今すぐ子供達を置いておとなしく出てきなさい!』
子供達の親がこれじゃまるで人質だ!とぼやく。
パトカーに乗って段平が現場にやってくる。
(警察に向かう時と同じ作画BANKでも同じパトカー(ナンバー)なので効果的)
段平は子供達の親(3名)から責められる。
(子供を使って金儲けなんて卑怯だ・・・等)

所長より総攻撃の命令が下される。構える警官達。
しかし、自分が連れてくる・・・と、静止を無視し廃墟に乗り込む段平。

近づく段平に凄い投石。
しかし、段平と気づき子供達の投石を中止させるジョー。
『何しに来た!』
『へっへぇ、なるほど、こういう仕掛けになっていたのか。』
『おっつあん、年寄りは下手にしゃしゃり出ねぇ方がいいぜ!』
『そうはいかねぇ!貴様を自首させにやってきたんだ!覚悟しやがれ!』
『何ぉ!俺に無理矢理ボクシングを教えといて、
手がつけられなくなると今度は警察の見方かい!大人のやることはホントに汚ねぇなぁ!
とっとと失せろ! 犬!』
『馬鹿野郎!俺が手を焼いているとでも思ってるのか!?ガキのくせにのぼせんじゃねぇ!』
『へっ!言っておくがなぁ、おっさんよぉ、そこから一歩でも前に出てみやがれ!
タダじゃすまねえぞ!』
『タダじゃすまねぇとは、どう言うこったい!?』
一歩前に出る段平。ピクッとするジョー。
思いっきり石を投げつけるジョー。
その石は段平の頭に直撃。ヘルメットをしていた段平だが、その衝撃で頭から血が流れる。
段平はすぐ起きあがり、廃墟の中へ・・・。

入り口ドアを突き破り顔面血だらけになった段平が入ってくる。
『ジョー!おめえってやつはぁ!今日と言う今日はどうしても許さねぇからな!
かわいそうだが覚悟しろぃ!』ファイティングポーズを取る段平。
ジョーも構える(目が光る)
『へっ!何でぇその構えは!どうしよってんだぃ!』
右ストレートで襲いかかる段平。
しかしブロックし、強烈な左アッパーで段平は入り口から階段下まで転がり落ちる。
『ポリ公が何人かがりでも捕まる様な俺じゃねぇんだ!悪いことは言わねぇよ、
家に帰ってコタツで昆布茶でも飲んでな!その方がおっさんにお似合いだぜ!』
段平起きあがり階段を再度上ってくる。
『なるほど・・・警察の言ってた通りだ。確かにおめえは喧嘩は強い。
そいつは認めてやる。動きは速いしパンチもある。』
サチに上着を預けるジョー。入り口までくる段平。
『だがな、この段平相手にどの程度通用するかな?』
『ま、粋な台詞を言う前にまた階段が落ちねぇようにしな!』
段平の左アッパー命中!右、左と強烈なストレートが炸裂!
連打が続き、ジョーは吹っ飛ぶ。心配する子供達。
『くそう・・・まだまだ!』ジョーの目が光る。
勢いをつけジャンプで倒れた机の上にジャンプするジョー。
『流石、元プロボクサーだけのことはある。聞いたぜおっさんよぉ。
だが、今度は俺の番だぜ。第一、おっさんに教わった練習の成果をじっくり見せねぇとなぁ。』
『へっ!まだ口だけは達者だな。今にその口も聞けねぇようにしてやるから、さぁ来な!』
とっくみあいになる二人。
しかし、段平のパンチが炸裂。ジョーはノーガードになり動けなくなる。
怯える子供達。(太郎に巻き付くトン吉の手と太郎の腕が同じ色に)
あまりにも一方的にやられるジョーを見て太郎はジョーを助けるために合図を出すが、
段平に静止される。
『黙れ!ガキども!本当にジョーを助けたいと思ったら、俺の手伝いをするんだ!いいか!』
沈黙する子供達。
『この馬鹿野郎はなぁ、今は鑑別所に送られるのが一番幸せなんだ!わかったか!』
『けっ!笑わせんな!何をぬかしやがる!鑑別所なんか誰が!おらぁ死んでも・・・』
ジョーのパンチを交わし、強烈なカウンターを放つ段平。
ジョーは壁に顔面から叩きつけられそのまま沈む。
ボロボロになったジョーは砂埃とともに倒れる。(荒木作画の迫力です)

●外は雪が降っている。
ジョーを抱えて段平がやってくる。
(ジョーの口の中の歯が色パカ)
入り口でサチがジョーから預かったコートを体に掛ける。
『おっちゃん、刑務所って、刑務所ってさ、寒いんだろうね。』
とサチ。
『余計なこと心配せんでええ。さぁ、そこどきな。』
ジョー抱えながら歩く段平。
『おっちゃんだって心配なくせに!』
サチ泣く。

ジョーをひとまず救急車に引き渡す段平。
この際にかけていたコートが下に落ちる。
救急車に乗ったボロボロのジョーはパトカーが同行し雪の中、去っていく。
泣き出す子供達。(太郎、サチ、チビ、トン吉、キノコ、ヒョロ松)
落とされたコートを拾い涙があふれる段平。
『ジョー!わしのジョー!』
全員大泣きに。
『返せ!返しやがれ~!ジョー!返せ!ジョー!』
抱えていたジョーのコートを引き裂く段平。
(冒頭にジョーの記事が載った新聞を引き裂く動きににてます)
『わしのジョーを返せ~!』
引き裂いたコートを抱きしめる段平。

注目ポイント

★荒木伸吾氏、初作画
粗々しい描写が魅力的です。

★冒頭、新聞記事が3話に続いて登場しますが、
今回は葉子無しで、子供達の中にいなかったチビが・・・。

★テーラータカヤマでの葉子とのシーンはアニメオリジナル。
葉子のジョーへの平手打ちが印象的でした。

★廃墟のシーンは圧巻。
荒木氏のパンチへのこだわり作画が迫力です。
2007年放送の『とことんあしたのジョー』でもこの描写は細かく解説。
原作では子供達の親が子供そっくりに描かれてます。
段平に雪を投げつける切ないカットもあります。
ジョーがKOされるシーンは警察も入り口で見ていました。
コートを破くシーンはありません。

スタッフ&キャスト

脚本
雪室俊一

作画監督/荒木伸吾

原動画
林 政行 川端 宏 神宮 慧 安部正己

背景 
内田好之

仕上げ

渡辺れい子

編集
田村政江

撮影
柴田昌利
中村桜子

製作進行
片山秀男



矢吹丈/あおい輝彦
丹下段平/藤岡重慶
サチ/白石冬美

白木葉子/西沢一子
太郎/増岡 弘
キノコ/牛崎敬子

人夫B/八奈見乗児
工夫B/立川雄三
ヒョロ松/肝付兼太
チビ/麻生みつ子

記者A/寺島幹夫
運転手/立壁和也


演出/斉藤 博

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