あしたのジョーファンサイトSOUL OF JOE

『あしたのために!-その1-』

★第5話/1970年4月29日放送/視聴率17.7%★

ストーリー

ジョーは身柄を警察病院に移される。
相変わらず反抗的な態度を繰り返すジョー。

子供達は葉子に頼み面会を希望するが、その思い今のジョーには届かない。

面会の許しを貰えない段平は葉書を送る事で、
ジョーに通信教育をする事を思いつく。
葉書には”あしたのためにその1ジャブ”が書かれていた。

精神鑑定の結果、”乾ききった砂漠”と判定されたジョーは鑑別所送りが決定してしまう・・・。

詳細&マニアック視点

●独房に入れられ朦朧とし、ベッドにうつぶせになるジョー。
5話サブタイトル被る。

4話BANK(画面赤い効果処理)の段平のめった打ちシーン回想。
『ジョー!今日と言う今日は許さねぇぞ!ジョー、俺のパンチを受けてみろ!』
荒木作画BANKカットに段平台詞。

走る段平。
『おめぇってやつは・・・今日と言う今日はどうしても許さねぇからな!』
『ジョー、おめぇは鑑別所に送られるのが一番幸せなんだ!』
『覚悟しろぉ!』
走って手前まで来る段平。このカットは新作。
BANK殴られるシーンへ。

『くそう!あの野郎!』
枕を壁に投げつけるジョー。
(枕掴んでから投げるまで手のつけPAN作画)
『ちきしょう!俺としたことが
あんなめっかちに叩きのめされるなんて・・・ドジだったぃ。』

●入り口ドアまで歩き寄るジョー。
(動画で眉毛塗り忘れも^^;)
『あけろぉ!あけろ!この野郎!聞こえねぇのかぁ!』
(力石の様に激しくドアをたたくジョー。
手の指に細かく入ったタッチが印象的。この作画は金山氏?)
『いつまでこんな所に閉じこめておくつまりなんでぇ!あけろぉ!くそったれめぇ!』
『だせよぉ!だしてくれぇ!こん野郎!蛇の生殺しみたいな真似しやがって!』
後ずさりし、勢いをつけてドアにぶち当たるジョー・・・しかしもちろん開かずに
はねとばされるジョー。
『冗談じゃねぇぜ。いつまで閉じこめておくつまりなんでぇ!』
少し放心状態アップのジョー。
髪の毛のハイライト処理。2話のラストと同じ。(おそらく金山氏作画)

●段平と子供達(チビはいない)が差し入れを持ち警察病院に見舞いに来るが、
結局門前払いさせられる。
段平は”人目だけ”・・・と頼むが、規則で肉親以外の面会はNGと告げられる。
(差し入れも受け取って貰えず)
子供達はあまりにも一方的な警察の対応に怒り暴れようとするが、
冷静な段平に制御される。

●夕暮れ。
首都高建設工事付近でうなだれている段平と子供達。
(ここでチビが復活。ここで合流?)
『拳キチのおっちゃん、すっかり参っちまってますねぇ・・・』とキノコ。
『うん』トンキチ
『毎日、飲んだくれていたおっさんがよぉ、ジョー兄ぃにボクシングを教えることで、
やっと生き甲斐を取り戻してきた所なんだ・・・それなのに警察に捕まってしまってよ、
辛い気持ちは良くわかるぜ!』土管の上で持っていた木の棒を振りおろしながら喋る太郎。

段平、子供達を呼ぶ。
ジョーに差し入れ予定だった握り飯をみんなに差し出す。
包みを開けると中には14個のおにぎりが・・・。
(・・・ジョーひとりでは食べきれない(^_^;))
子供達一斉に飛びつき食べる。
『スナック丹下の特性握り飯だぃ♪』とキノコ。
『それにしてもおっさん、これ作るとき手ちゃんと手洗ったんだろうな?』とヒョロ松。
サチは遠慮していたが、太郎に無理矢理口に押し込まれ泣き出す。
(チビがまた消える。キノコ、服がちゃんと彩色されず色パカ)

段平アップ。
『俺の最後の夢が鉄格子の中に閉じこめられてしまったんだ・・・』
泣きながら悔しがる段平。
キノコが段平にもおにぎりを差し出すが、ジョーはろくな物食べてないと・・・自分も拒否。

●食事がジョーの元に運ばれる。
(白米とみそ汁のみ)
しかし、ジョーは受け取らず、ひっくりかえず。
監視員の顔や服に飛び散る。
『馬鹿野郎!誰が飯なんか持ってこいって言ったよぉ!俺はなぁ、
最高責任者を呼んでこいって言ったんだぃ。』
元気になったので早く送るところに送って貰いたいと監視員に告げる。
この部屋に押さえ込もうとする監視員に掴みかかる所で他の監視(2人)が来て、
ジョーを取り押さえる。
『放せ畜生!院長を呼べ!』叫ぶジョー。
(このシーンは2話の金山作画にそっくりです。原画タイミングも同じ。
監視員の目の描写は鬼姫会事務所付近の作画に似てます。)

●辺りは真っ暗。BGMは段平のテーマ
ガスタンク(ジョー2、14話で有名な)、泪橋川(ゴミが沢山浮かび汚い)、
そして段平の小屋・・・木に吊されたサンドバッグにもたれる段平。
ジョーがトレーニングしていた時を思い出す段平。(杉野作画BANK)
ガックリしている段平を丘の上から見下ろしているキノコ。

すぐみんなを集めて、段平の様子をみんなに話すキノコ。
(電柱街灯の下、太郎、サチ、ヒョロ松、トン吉、キノコ)
(空の描写で遅い時間な様ですが、子供達がまた集まるので深夜では無いと思います。)
”後ろ姿がまるで幽霊”とみんなに伝えるキノコ。
”もう長いこと無い?”と言い心配するヒョロ松に対し、
”ジョーが戻るまで死んだって死なない”と叫ぶサチ。
”なんとかおっさんを元気づける方法は無いか?”思案する太郎。
”ジョーに会わせてやればいいんだ”とサチ。
しかしそれが出来れば苦労は無い・・・と気のない返答の太郎。
(このカットのBGが間違ってます。街灯が照らされる夜のドヤ街のはずが、白木邸の中に・・・)
サチは”白木のお姉さんに頼めば警察も聞いてくれる”と提案。
一同納得。

●翌日、白木邸を訪ねる子供達。
白木邸に入る5人の子供達。(チビはいません)
『誰でも犯した罪は償わなければいけないのです』よ子供達の前で発言する葉子。
(夜のBG間違えはこのシーンでの背景)
『じゃ、ジョー兄ぃは刑務所に!?』と太郎。
『ええ、でも矢吹くんが心から反省しているのなら保護観察ですむでしょう』よ葉子。
(青と白のワンピースの青部分が白く塗られ、真っ白な服に。こっちの方がいいかも(^o^))
『しっかりした身元引受人がいれば少年院に送られすにすむんです。』と葉子。
『拳キチのおっさんからしっかりしているぜ。』と太郎。
じゃあ、兄貴は帰ってくるんだね!・・・とキノコ言い、喜び会う子供達。
しかし、葉子は本人が心から罪を悔いて反省している事が条件だと言う。
葉子からも家庭裁判所にお願いしてみる事を発言。
舞い上がる子供達。

●牢屋から出されるジョー。
口笛を吹いて横柄な態度で歩くジョー。
『お前に面会の方が院長室でお待ちだ』と監視員
『どうでもいいけどよ、俺に面会なんて物好きな奴がいるもんだぜ』とジョー。

●院長室へ来るジョー。
院長室に入ると院長と葉子が。(BGMは葉子のテーマ)
『へっ!これが笑わずにいられるかい!正義の味方、下町の天使がお出ましとあっちゃな!』と笑うジョー。
『矢吹!白木さんのお嬢さんは君の為にわざわざ見えたんだ』と院長。
(白木さんのお嬢さん・・・という表現に違和感(^_^;))
『また点数稼ぎかい!非行少年に注ぐ財閥令状の優しい心、新聞社が喜ぶせ!』とジョー。
すべてこの調子です・・・と、あきれる院長。
『矢吹くん、誤解しないで。私が来たのでは優しい心でも自分の意志からでもありません。
段平さんをはじめ、子供達の代理のつもりよ。』とジョーに歩み寄り話す葉子。
『段平だ?・・・そうかい?じゃ、帰ったらあのメッカチによく言ってくれぃ。
俺がこんな所にたたき込まれたのはよぉ、あいつのお陰だ!今更親心出さないでくれ!
迷惑だってな!頼むぜ!』机をたたきながら返答するジョー。
『解りました。じゃ、これよく味わって食べてちょうだい』と包みを差し出す葉子。
『何の真似だぃ!?』包みを開けるジョー。中からはケーキが。
あなたの可愛いファンからよ、と葉子。
しかし、俺の知り合いにはこんあお上品な物を食うやつはいないと返すジョー。
葉子は自宅に子供達がやって来た際に出したケーキをジョーの為にと途中で食べるのをやめて、
葉子にケーキを預けた事を話す。
ジョーは少し同様(額から汗<ちょっと大げさな演出)し無言になる。
『矢吹、ここ数日間の言動がお前の今度の処分を重くも軽くもするんだぞ、
待ってる子供達の事も考えて自重するんだな。わかってるね!』
この院長の一言でジョーはケーキを下に落とす。
『フン、せっかくの差し入れもな、あんたのばばっちぃ手で持ってこられたんじゃ、不味くなるね!』
落としたケーキを足で踏みにじるジョー。
怒鳴る院長。表情一つ変えず見つめる葉子。
不適な笑みのジョー横顔T.U



Bパート
●雨が降っている。
段平小屋。(段平テーマ♪)
段平座ったまま寝ている・・・。
ノックする音に反応し、目が覚める。
おもわず、ジョーが帰ってきたと思い飛び出す。
しかし。来たのは雨で仕事あ無くなった職場友人。
気分直しの一杯の誘い。
しかし、酒を断る段平。
”雨”がやんでくれないと仕事が出来ず、稼げない。
仕送りが出来ないとぼやく友人。
自分の子供が”ハガキ”を送ってきた・・と見せる友人。
”ハガキ”というキーワードに突然反応する段平。
『ハガキか!そう言う手があったか!・・・見てやがれ!ジョーのやつ!』
訳がわからず驚く友人。

●雨が降る警察病院。
(建物のパースの取り方が少年院と同じ)
ベッド上で体育座りのジョー。
『矢吹丈、ハガキだ!』部屋窓からハガキが中に入れられる。
”この俺に頼りをくれるなんて一体だれだい?”と宛名を見ると・・・。
『丹下段平』の文字に逆上しハガキを破る。
(この破り方は特徴的です)
『あんちくしょうの手紙なんか、読めるか~!』
読みもせずにビリビリに切り裂いて放り投げるジョー。

●サンドバッグが破れ下に落ちている丹下小屋前。
雨の中、傘をさしばがら”黒猫のタンゴ”を歌いながら近くを通るサチ。
段平は小屋に表札を打ち付けている。
サチの質問に”ジョーからの手紙待ち”と返答。
丘の上にも郵便配達人が解るように看板を設置。
気持ちが高揚している段平は降りしきる雨にも、
『いい雨じゃねぇか、ほんとに。見なよジョー、
いつも汚ねえドヤ街さえ、何となくさっぱりして見えるぜ。』とまで。


●警察病院。
暇をもてあましているジョー。
頬の傷も癒え、絆創膏をはがすジョー。
”退屈だぃ!”大声をだしふて寝をするジョー。
(歯がした絆創膏はゆっくりとベッド下へ落ちていく)

”ちきしょう!退屈だぁ・・・退屈で死にそうだよ”起きあがり暴れ出すジョー。
(絆創膏が無くなってます)
枕を投げ、床にひざまづき四つんばいになったときに辺りに切り裂いたハガキの破片が散っている。
ふと、文字がかかれた紙に関心が行くジョー。
(ファーストカットでは”ジャブ”と書かれた破片がフレームに入ってます)
紙を拾い上げるジョー。
『ん?あしたのために?何だい、こりゃ?』破片を集め出すジョー。
『ムキんなって破いちまったから、粉々にんあって解りにくいぜ!
・・・へへっ!こうなるとちょいとしたパズルだね』
あちこち探し回りついにパズル完成。(”攻撃”という文字が最後の破片)
『え~と、あしたのためにその1”ジャブ”
攻撃の突破口を開き、あるいは敵の出足をとめるため、
左パンチを小刻みに打つこと。この際肘を左の脇の下から離さぬ心構えで
やや内側を狙いえぐり込むように打つべし。
正確なジャブ3発に続く右パンチはその威力を3倍にするものなり。
』段平のナレーションもかぶり解説。
『ひぇ~!あのおやじめ!こんなとこにまでボクシングを持ち込むつもりだぁ!まいったぜ!はははっ!
この俺に通信教育をしようって訳だぁ!』大笑いしてひっくり返るジョー。
”拳キチもここまでくるとお笑いだね!”と右足で揃えたハガキを蹴飛ばすジョー。
『ふざけんじゃねぇ!パンチに理屈なんで無用だってんだぁ!』とベッドにパンチするジョー。
鬼姫会乱闘シーン色変えでBANK
『ただ思いっきり腕をぶんまわせば相手はぶっとぶんだぃ!バカバカしい、
くだらねぇ事をチマチマまいて寄越しやがって、フン!』とジョー。

・・・”肘を脇の下からはなさいな言うように”内容を思い出し、
『ものは試しだ・・・いっちょやってみるか!』と実演するジョー。
”やや内側をねらい、えぐり込むようにうつべし!”パンチが風き切り裂く感じを体感。
(作画のブレが素晴らしいです。モーションブラーでなく直接描くブレ作画)
『今までどんなに腕をぶんまわしてもこんな事は・・・』と左手を見つめるジョー。
パンチが風を切り裂く音を実感し、夢中になり連打するジョー。
『俺は今まで学校って所に行った事がなかった。人に教わって物が出来るようになる経験は初めてだぜ。』
グラブをはめて実際に相手とボクシングしているイメージシーン挿入。
(原島龍風の対戦相手。作画は荒木伸吾氏(ジャガード))
『ちきしょう・・・何の事はねぇ・・・いつのまにかあの拳キチの思うつぼにすっぽりはまっちまいやがった。
・・・汚ねぇぞ、あの野郎!人が死ぬほど退屈している弱みにつけ込みやがって!ちきしょう!
飲んだくれの老いぼれ犬め!』
暴れだし、机を壁にぶつけ破壊するジョー。
『俺はこんりんざい、拳闘なんかやる気はねぇんだ!お前の言うとおりにはならねぇぞ!拳キチ~!』
雨が降りしきる外に向かい窓から叫ぶジョー。

●雨の中、傘を差し警察病院の前で立っている段平。
『フフフ・・・やってるかジョー、この段平様がとことん鍛えてやるぞ!今にお前は日本一、
いや世界一強いボクサーになるんだ!』
(この段平は荒木作画)

●雨がやみ心理学博士富岡登場。
ジョーは富岡先生のいる場所に連れてこられる。
『先生?今日はよくよくものを教わる日だぜ。』
性格や心理のテストをされるジョー。
暇つぶしになる・・・と言うジョーにテストの結果で処分が決まると言われる。
横柄でふざけた対応を続けるジョー。
(返事の際は裏声も披露^^)
ある単語から連想する事を答える。
○赤・・・・血(パンチを繰り出し抑えつけられる)
○両親・・・無責任(愛情とでも言えば・・・と皮肉る)
○愛・・・・居眠り(孤児院時代の説教での体験話)
○親切・・・拳キチ、メッカチ(親切の押し売りがいる)
ジョーの対応にうんざりする富岡先生。

『私も今まで多くの非行少年を見てみたが・・・矢吹丈、
この少年の性格は残忍で非情で利己的でまるで乾ききった砂漠だ!草木一本生えとらんね!』
書類に思いいっきり判子を押す富岡先生。

●鑑別所送りを言い渡されるジョー。
『ええっ!?鑑別所送りだって?』言葉には同様が・・・。
汗も流し、悔しがるジョー。
”流石に鑑別所行きをなったら大人しくなったなぁ”と監視員。
しかし、『今か今かち待っていたんだぃ!』と強がるジョー。
”鑑別所行きがそんなにうれしいのか?”と驚く監視員。
”あたぼうよ!仲間がいるからな!俺みたいのがわんさと!”とジョー。

注目ポイント

●金山氏の作画(原画タイミングも含め)が多数見受けられる回です。
枚数の使い方、パンチを繰り出す際のブレはパイロットフィルムでも披露。
完全作画で見せる素晴らしい描写です。

●原作にはない葉子と子供達のシーンが多数挿入。
ケーキのシーンは印象的です。
白木邸登場の前のシーンでBGが1枚間違えて(撮影)使われてました。

●段平通信教育のハガキシーン
あしたのためにその1【ジャブ】
攻撃の突破口を開き、あるいは敵の出足をとめるため、
左パンチを小刻みに打つこと。この際肘を左の脇の下から離さぬ心構えで
やや内側を狙いえぐり込むように打つべし。
正確なジャブ3発に続く右パンチはその威力を3倍にするものなり。


●ジャブ実演のシーンではジャガード作画と思われるカットがありました。
(数カット荒木氏のジャガードがHELPしてます。パズルシーン、富岡先生シーン等)

●心理学の富岡先生は原作とキャラ設定が異なります。
部屋は心理学書と思われる書類が多数。
壁にはエジプトを連想する絵が掛けられてます。
○赤・・・・血(パンチを繰り出し抑えつけられる)
○両親・・・無責任(愛情とでも言えば・・・と皮肉る)
○愛・・・・居眠り(孤児院時代の説教での体験話)
○親切・・・拳キチ、メッカチ(親切の押し売りがいる)

スタッフ&キャスト

脚本
雪室俊一

作画監督/金山明博

原動画
中村一夫 鈴木正俊 森 安夫 三輪孝輝

背景 
宮川一男 椋尾 篁

仕上げ
家城雅子

編集
渡辺れい子

撮影
小林三男
吉坂研一

製作進行
片山秀男



矢吹丈/あおい輝彦
丹下段平/藤岡重慶
白木葉子/西沢和子

サチ/白石冬美
太郎/増岡 弘
キノコ/牛崎敬子
ヒョロ松/肝付兼太

トン吉/八奈見乗児
警官/北村年夫(北村弘一)
女中/麻生みつ子
院長/石井敏郎


演出/波多正美

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