あしたのジョーファンサイトSOUL OF JOE

『幻の・・・あのテンプルを撃て!』

★第5話/1980.11.10放送/視聴率12.0%★

ストーリー

タイガー戦に敗れ、雨の中タクシーで帰宅する矢吹陣営。
TKOに納得がいかないジョーは段平と激しい言い合いになり、
その場でタクシーを降りる。

一級の酒を土産に和解すべくジョーがジムに帰宅。
和解成立した所で段平に早速次の対戦相手の依頼するジョーだが・・・。

翌日、ボクシング協会の会長達が丹下ジムを訪問。
ジョーは段平の静止を無視して、次回対戦相手をバンタム級1位”原島龍”に決める。
(その頃、葉子はベネズエラでロバートと商談中・・・。)

原島との試合が開始されると、ジョーは必死に顔面へパンチを繰り出すが、
段平は、どれも腰の入らない”お祭りの見せかけ花火”の様なパンチだと言い放つ。

ボディのみガードする原島にジョーは遂にテンプルへ右ストレートを炸裂!
・・・しかし、本能のブレーキに逆らってまで行った行為に
ジョーの体は限界を超え、突然嘔吐してしまう・・・。

マニアック視点

●雨の中、タクシーで帰宅する3人。
(初乗り380円タクシー)
窓ガラスなめジョー顔アップ。
更に手前に雨の描写。
しかもダブラシ処理で背景引き。

ジョー「おっつぁんがよ、あの時タオルさえ投げなきゃ、おれは勝てたんだ!
野郎のテンプルに思いっきりテンプルを叩き込んでよ!」
段平「何度も繰り返すようだがな。もしわしがタオルを投げなきゃ、
おめえ今頃タクシーになんか乗っちゃいられねぇんだぞ!
チャンピオンのパンチでにボロボロにされて、救急車で病院に連れて行かれているところだ!」
ジョー「いいか、おっちゃん。おれはタイガーに負けたんじゃねぇ!
おっつぁんに負けたんだ! 臆病なセコンドに負けたんだ! てめえの味方に負けたんだよ!
おい、運ちゃん!止めてくれ!」
突然、タクシーを停めさせ、そのまま飛び出し雨の中を走り去るジョー・・・。

●傷口に雨がしみやがる・・・。
(バンソウコウは後ポイントに)

・・・サブタイトルへ。
「幻の…あのテンプルを撃て!」

富士見町銀座商店街
雨宿りをしながら力石を思う・・・。

●角の酒屋をたたき起こして1級の酒を仕入れてきたジョー。
銘柄は何?(段平が好きな酒?)
和解する2人を屋根裏から見ている西。

ジョー「じゃあよ。仲直りできたとこで、次の試合組んでくれよ。」
段平「はぁ?何だと!」
ジョー「相手はもう一度タイガーだ。」
段平「ばかやろー!次の試合より何より、
おめえはボクサーとしてやらなきゃならねぇことがあるだろうが!
おめえはな!顔面の打てねぇボクサーなんだ。
ボディブローだけのワンパターンでリングに登れるほど、プロの世界は甘かねぇんだぞ!」
ジョー「だからよ。試合でカタつけるのさ。今度こそ顔面を打って見せるぜ。はっきりとな。
頼むぜ、おっちゃん。力石だの、亡霊だのの話は、それからにしてほしいんだ。
頼むぜ、おっつぁん。」
段平「ジョー…。」
一番手前に段平、次に酒&コップ、奥に立つジョー。
※通常だとこの場合酒の描写はセルにする場合が多いが、
ジョーでは小物が背景作画で描写されることが多い。


●心配する紀子。
西にジョーの事を告げる。
紀子「時には静かに立ち止まって、そして休むべきだと思います。」
しかし、西は聞く耳を持たず、段平とスパー中のジョーを見つめている。
(わざと無視?)

●飛行機が降り立つ。
テロップ:メキシコシティ国際空港
手荷物を待ち横断歩道を渡る葉子。

●パチンコ屋のシーン
1話でのBANKと思いきや、ジョーの鼻にはちゃんとバンソウコウが!
見比べると、背景&手前の人物はBANKだと思われるが、ジョーの鼻部分のみ
前回と違う!
ほぼ同じなので鼻部分に別セルを重ねたものと思われる。
この細かいこだわりGOOD!


一人パチンコ中のジョーを見つめる子供達。
キノコ「タロウちゃん、おれ意外と大丈夫だと思う。」
タロウ「ばか!それがアブねぇんだよ。ジョーってのはさ。
何かあるとわざと平気なフリ装ったりするのよ。とにかく人一倍プライドが高いから。
だからよ、昨日の負けはかなりのショックだったと思うんよ。」
サチ「だから、せっかく帰ってきたのに、またプイって出ていっちゃうって言うの?」
タロウ「その恐れがあるってぇのよ。
あの力石戦の後だって、おれたちにあいさつなしで消えちまったんだぜ。
いいか!とにかく今日明日がポイントよ。どんなことがあっても目ぇ離すなよ!」

●夜丹下ジム
品川56?1378の車含み2台止まる。
会長連の登場!
次の対戦相手についてご相談!
段平の反対を制し、バンダム1位、原島龍の対戦が決定する・・・。
無謀な行動に怒る段平。
ジョーに自分のテンプルを打たせようとするがジョーは誤魔化す・・・。
段平「見ろ!ジョー。やっぱり打てねぇだろ!おめえにはテンプルは打てねぇんだ!」
ジョー「勘違いするな。年寄りをぶっ壊したくなかっただけだよ。」
段平「言い逃れをするな。じゃあ何だ。
そのびっしょりとてめえのツラに浮かんだ冷や汗はいったい何なんだ。」
ジョー「うるせぇな!試合になりゃあ、見せてやるよ。おれの必殺のテンプル打ちをよ。」

●夜の河原
力石「矢吹、どうしたい。」
ジョー「どうもしねぇさ。」
力石「ふーん、そうか。じゃあな。」
ジョー「あぁ、またな・・・。」

●南米ベネズエラ
葉子とロバートとビジネスの会話。
『ミス・ヨーコ、イルンデショウネ、日本ニ強いボクサーガ』
ホテルバルコニー越しの回り込み作画。(完全背景動画)
カモメ飛ぶ!!

●メインエベント!ジョーVS原島戦
赤コーナー全日本バンタム級第1位
スズキヤマノテジム所属118ポンド二分の一、原島龍!
青コーナー丹下拳闘クラブ所属118ポンド四分の一、矢吹丈!

●1R。
顔面を連打するジョー。
原島のコーナーにニヤつく、タイガーが・・・。

ジョー「へへっ。どうだい、おっちゃん。やつのツラを集中攻撃だ。へへっ」
ジョー「へへっ。どうしたい。うれしくって声も出ねぇか。
ほら、見なよ。鼻血に染まったあのツラをよ。」
ジョー「あ、タイガー!タイガーが原島のコーナーに…。」
ジョー「野郎!何がおかしいんだよ!」
段平「待てよ、ジョー。落ち着け。いらつくんじゃねぇ!みっともねぇぞ!」
ジョー「おれがいらついている?どういうこった、そりゃあ?」
段平「そいつはおめえが一番よく知ってるはずじゃあ、ねえのか。」
ジョー「何?」
段平「あれだけ、おめえのパンチを受けたはずの原島が、余裕さえ見せて笑ってらぁ!
手応えはあったのかい?やつの顔にパンチを繰り出してよ。おめえの拳に!」
・・・動揺し、冷や汗を浮かべるジョー。
ジョー「ほれ見ろ!お祭りの見せかけ花火みてぇに、数打っちゃいるが、
腰の入った本物は、一発だって打っちゃいねぇんだ!」
ジョー「…お祭りの見せかけ花火だと?」
段平「悔しかったら打ってみろぃ!一発でヤツが沈むような、ものすげぇやつを打ってみろい!」
色パラ7割以上画面にかかる。

2R開始
更に段平らへの色パラ割合増す。9割へ!
色パラにより段平の不安描写表現!?


●ジョー「ちきしょう!いい加減にしねぇか!」
ジョー「調子に乗りやがって!」
ジョー2Rで遂に原島の顔面へ力のこもったパンチを放つ!
レフェリー、アップ(歯の色の塗り忘れ)

西「やったー!おっちゃん。打ちよった! ジョーが本当にテンプルを…。」
しかし、ジョーはニュートラルコーナーに行かず、その場に立ちつくす・・・。
ジョーの肌の色指定変わる。

マットに膝を突き嘔吐してしまうジョー・・・。
驚く段平と西・・・そして子供達やTV前の林屋一家・・・。


段平「ジョー、ジョー、ジョー! ワシのジョー!」

ハーモニーショット

★ハーモニー1
夜丹下ジム
会長連の登場!
次の対戦相手についてご相談!
『そいつあ、ありがてぇ・・・』
ジョーサンドバッグ越しにハーモニー

1枚(合計20枚)

注目ポイント

★タクシーが初乗り380円です。

★パチンコ屋のカットBANKと思いきや、一部修正が細かい。
全面描きかえるのに比べれば楽ですが、この細かさがGOOD!

★ベネズエラでの葉子&ロバートのシーンは回り込み作画です。
もちろん手書きです。頑張ってます!!
今ならCGで綺麗にゆっくり動かすんでしょうねぇ・・・。

★原島龍との嘔吐シーンは当時食事タイム事情もあり、
透過光キラキラの処理に・・・。
・・・でもその割には、原作以上に嘔吐シーンが今後展開します・・・。
※当時この表現をビートたけしが漫才のネタにした様です。

★ジョーの肌色変化の色指定がGOOD!

所持セル画リンク→

スタッフ&キャスト

脚本:篠崎好

絵コンテ:さきまくら

ディレクター:竹内啓雄・西久保瑞穂

原画:大坂竹志・小柴重光・小林左希子・宮尾岳
    関三恵子・新木寿子

動画:前田順子・佐藤由美子・幸田知子
    森川明美・伊東緑・矢萩智子

仕上げ:シャフト 三橋曜子・森祐子・菅野友子・村井勇

背景:小林プロダクション 工藤美由紀・小倉宏昌・海保仁三郎
    林裕美子・山本恵子・柴田千佳子

制作進行:横溝隆久


声の出演:池水通洋(ロバート)加藤修【現・加藤治】(大高会長)、
       飯塚昭三(木村会長)、田中康郎(国友会長)、井口成人(レフェリー)、
       緑川稔(スズキ会長)、矢田稔(林屋主人)

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