あしたのジョーファンサイトSOUL OF JOE

『燃える野獣と・・・氷』

★第23話/1981.3.16放送/視聴率9.0%★

ストーリー

ジョーは計量を見事パスし、遂に金VSジョー戦が実現!
葉子は試合前に力石の墓に花を添えに行く。

段平は予約していたレストランにジョーを連れて行く。
段平と入れ替わりで現れた金はジョーの前の席に座り、
自分の過去を話し出す・・・。

金は5歳の時、朝鮮戦争の空襲の最中に母を失い、
飢え乾きに耐えかね、倒れていた兵隊を実の父を知らずに石で殴り殺し、
持っていた食料を奪い取った過去を持つ。
・・・後に当時大佐だった玄曹達に拾われ、現在に至る・・・。

ジョーは食事を結局食べる事が出来ず、尚かつ戦意まで喪失・・・。
「・・・いけねえな・・・今夜の試合、勝てる気がしねぇ!」

マニアック視点

●須賀清、韓国より帰宅。
愛車(ファイヤーバード)でで葉子がいる力石の墓がある港の墓地に駆けつける。
力石の墓の隣は”小倉家”(以前は水谷家だった・・・)
●赤いバラを添える葉子。
金の情報を得た須賀はその場で葉子に伝えようとするが、
”詳しい情報は車の中で”・・・と言い、すぐに墓を去る葉子。
葉子の衣装は青のワンピースにチェックのスカーフ。
●葉子立ち去った後に添えた花のアップ。
赤いバラはなく、”菊やユリの花”に・・・。
花は立てかけられず、寝かされたまま置かれる・・・。
「本来ならば、今夜のタイトルマッチ、
矢吹の相手は力石徹であって欲しかった・・・ハハ・・・」
葉子の気持ちを思わず独り言の様につぶやき、言葉に出す須賀。
●松本一男、田辺智之、河井家等・・・明記の墓石横を通る葉子&須賀。
●須賀は気がかりだったジョーのウェイトについて葉子の質問。
港が見える高台の階段で立ち止まり、会話する二人。
午後14:00ギリギリまで減量と戦った事を告げる葉子。
この会話時時刻は15:00。(計量パス1時間後)
●蔵前国技館 東洋太平洋バンタム級タイトルマッチポスター
チャンピオン金龍飛、挑戦者矢吹丈、二人のファイティングポーズ
一般席 1200枚限りの表記
●蔵前国技館には”矢吹選手控室”の張り紙が入り口ドアに画鋲で留めてある。
お相撲さんの支度部屋に使われているので畳みのある部屋。
関心する太郎は”へぇ~そうなんですかぁ!”と当時の漫才ギャグで受け答え。
●畳に上がるなり寝入ってしまうジョー。
約10分間、寝入るジョー。
時刻は15:30
●段平は予約したレストラン(ロシータ)にジョーを連れて行く。
ジョーは思わずよだれまで出し、大喜び~♪
ジョーの”やっほーぅ!”はTV2では珍しい!
西や子供達は試合まで時間があるため一端泪橋へ帰宅。
●「なんとも小さなステーキが1枚、カップ一杯のコンソメスープ、
そしてグリーンサラダが少々・・・普通の人なら
ものの5分もあれば片づいちまう程のわずかな物だ。
これが”特別注文”のおめぇのフルコースだ!」
「試合まであと3時間はある・・・この食事だけで1時間はかけるつもりで食え!」
段平思わず涙を浮かべる・・・。
「小さいけど極上だ。美味いぞぉ!」
最後の手続きのため事務局へ出向く段平。
「ありがとよ、おっつあん・・・」
小さくささやくジョー。
●「どうかくれぐれもあれ以上の「注文は受けねぇ様にしてください。」
帰り際、コックに一言残し去る段平。
●ジョー、食事をし始める。
BGMは”果てしなき闇の彼方へ”へ・・・。
●ステーキを少しづつ食べながら、
コンソメスープスープやグリーンサラダも食べるジョー。
●「いらっしゃいませ、窓際のお席にどうぞ」
と女性の定員(声:佐々木るん)
金竜飛がレストラン”ロシータ”に来る・・・。
●窓際の席に行き、レモンティーを頼んだ直後にジョーに気づく金。
ジョーは全く金に気づいてない・・・。
●「ちょっと、邪魔をしていいかな・・・」
突然、食事中のジョーの席に現れる金。
「あ、すまないが、私の注文した物はこちらへ運んでくれ」
・・・と伝える、強引な金。
●着ていた茶色のコートをイスにかけ、ジョーと相席で正面に座る迷惑な金・・・。
無言のジョー(ちょっと嫌そうな顔・・・)不適な笑みをうかべ両肘をつき手を組む金。
(この際、両サイドにあったイスは無くなる・・・)
●「随分とわびしい食事だね・・タイトルマッチは12ラウンドの長丁場だ。
ずっと飲まず食わずの挙げ句、それっぽっちの食事で持ちこたえられるかな・・・」
無視して食べ続けるジョー。
「ま、もっとも早いラウンドで眠らせて差し上げるから、その心配はないにせよ・・・だ」
(金の手の仕草がイイ!)
金のレモンティーが来る。
●「・・・しかし、試合直前ギリギリまでその様に哀れな程飢えきって、
やつれ果てている様では、噂に聞いたほど君は”ハングリーボクサー”ではないな!
吹きだまりのドヤ街にすみしかも少年院の出身・・・今時の日本には珍しい
”ハングリーボクサー”と言うのが君のキャッチ・フレーズらしいが、
どうもこれは大きな間違いのようだ」
(金のレモンティーを飲む仕草が細かく、素晴らしい!)
「本当のハングリーボクサーは減量なので慌てる事はまず無い・・・」
●「こう言うと一見逆のようだが、逆もまた真なり・・・でね。」
遂にジョー、しゃべり出す・・・。
「あんた、見かけに寄らず”お喋り”なんだな・・・何を言いてぇのか知らねぇが、
これから試合をするって選手同士がこんな所でヒソヒソやっていると色々と誤解を生むぜ!」
●「まぁまぁ、ケチな事を言うな・・・」
金、両手でアクションする。
「私はネ、矢吹君・・・君のその私は飢えた若者でござい、しかも飢えた若者で無ければ
”ハングリースポーツ”であるボクシングの栄光は掴めない・・・と言った
”悲壮感溢れるポーズ”・・・というやつかな?・・・それが何とも鼻持ちならないのだよ・・・。」
●「回りくどいな・・・だから一体何が言いてぇんだよ!」
・・・と食事を邪魔されキレ気味のジョー。
「私がさっきこのレストランに着て何を注文したと思う?
・・・そうそうさ、このレモンティーだけ。なぜなら他に何も欲しいとは思わないからサ。」
(金の話しながらの手の仕草がGOOD)
●「今朝早くに3枚のビスケットに半熟の卵、それに果物を少し食べた・・・それっきりだ」
(それっきりだ・・・の仕草もGOOD)
●「」ハッキリ言うとネ、胃が受け付けないのだヨ・・・私の胃は恐らく5~6歳の幼児と
同じ程度の許容量しかないだろう・・・」
「君は本物飢えと言う物を知っているか?本物の”地獄”と言う物を・・・」
「・・・そう、戦争だよ・・・。」
金の顔が逆さでレモンティーに移り込む。
●1950年6月25日
「私の母国が真っ二つに別れ38度線を挟んで火ぶたを切ったあのいまわしい朝鮮戦争だ」
「私はその時5つだった・・・。」
画面は黄色の色で統一。
●金の父親は南鮮側の一兵卒で戦争へ出陣。
残された母と日増しに激しくなる戦火の中を
毎日飢えと乾きに苦しみながら必死で逃げ回る・・・。
そんなある日金少年の母は目の前で直撃弾で黒こげになってしまう・・・。
●「食い物だ・・・」
金少年は水たまりの中で倒れている兵士の背中にしょっている食べ物を取ろうとした際に
押さえ込まれる。
金少年に気づき、近寄る兵士・・・近くにあった石で思わず兵士を殴り続ける金少年。
(上空を飛ぶ飛行機が遠近感があってません・・・)
●その場を去ろうとする金少年だが、食べ物(ビスケットやソーセージ)を思い出し、
戻った後、全部食べてしまう・・・。
●その日の夕方、脱走兵を捜しに兵隊達が捜査に来る・・・死体はすぐ見つかり、
銃やナイフでなく石で殺された事から近くの避難民の仕業だとすぐ断定。
避難民達は集めさせられる・・・。
●大佐である”玄曹達”は殺された男の名前を”金青蓮”と発表!
金青蓮は今頃どこかで飢えているだろう自分の家族へ
隊で支給されるわずかな食料を持って抜け出した・・・。
・・・金少年は思わず嘔吐。
吐き出した内容物で犯人と判明!
●兵隊達にボコボコにされる金少年・・・。
「・・・金青蓮は僕の父さんの名前だ・・・」
泣きながら答える金少年。
「わかんなかった・・・泥まみれだし、痩せてたし・・・父さんだなんてわかんなかった・・・」
「何という・・・惨い・・・。」
玄大佐はそっと金少年を抱き上げる。
●少年期を話終えた時、ジョーと金がいるロシータでも似たような夕日に・・・。
「フッ・・・減量苦だって?・・・そんな物は腹一杯食って胃袋を広げてしまった奴の贅沢さ」
ショックを受けるジョー。
●去る金・・・残されたジョー
ジョーは、ようやく立ち上がる・・・すると金と入れ替わり段平が戻ってくる。
●「ゆっくりと味わったか?」
「ああ、たっぷりとな・・・ごちそうさん。」
ジョーの残した食事を見る段平
「何がたっぷりだ・・・あのやろう・・・半分も食っちゃいねぇ!」
ジョーそのままロシータを出る・・・。
「・・・いけねえな・・・今夜の試合、勝てる気がしねぇ!」
焦るジョーの顔アップ ハーモニー

ハーモニーショット

★東洋太平洋バンタム級タイトルマッチポスター
チャンピオン金龍飛、挑戦者矢吹丈、二人のファイティングポーズ
一般席 1200枚限りの表記  PAN DOWNハーモニー(1)
★「ゆっくりと味わったか?」
「ああ、たっぷりとな・・・ごちそうさん。」
ジョーの残した食事を見る段平
「何がたっぷりだ・・・あのやろう・・・半分も食っちゃいねぇ!」
ロシータのドアを開け出ていくジョー。T.Bハーモニー(2)
★金の顔どアップ オーバーラップハーモニー(3)
★「・・・いけねえな・・・今夜の試合、勝てる気がしねぇ!」
焦るジョーの顔アップ ハーモニー(4)
4枚 (合計155枚)

注目ポイント

★レストランロシータ
ジョーのテーブルには最初イスが4つ
しかし、後にイスは3つになったり2つになったり・・・。
この現象は原作の漫画でも起きます。(金青蓮の呪い?)。

★ロシータでの店員は女性2名、しかし原作作画では最大4名まで登場。
しかも漫画では各人制服の下に着ている私服にまで個性が・・・。
衣装設定へのちば先生のこだわりを感じます。

★(アニメ版セリフ)
私はネ、矢吹君・・・君のその私は飢えた若者でござい、しかも飢えた若者で無ければ
”ハングリースポーツ”であるボクシングの栄光は掴めない・・・と言った
”悲壮感溢れるポーズ”・・・というやつかな?
・・・それが何とも鼻持ちならないのだよ・・・
(原作漫画版セリフ)
私は飢えた若者でございます。しかし、飢えた若者でなければ
”ハングリースポーツ”であるボクシングの栄光は掴めないのであります・・・と言った
悲壮気取りが何とも鼻持ちならなくてね。

・・・金竜飛の卓越した日本語に驚愕です!

★1950年6月25日
「私の母国が真っ二つに別れ38度線を挟んで火ぶたを切ったあのいまわしい朝鮮戦争だ」
「私はその時5つだった・・・。」
・・・1945年8月2日生まれの金竜飛・・・この時はまだ4歳なのでは?
※朝鮮戦争は3年間も続いているので、その間に金少年は2~3歳年をとります。

金竜飛の年齢(ジョーと対戦時)は
原作で金戦は1971年(昭和46年)なので25~6歳の設定です。
アニメでは1981年(昭和56年)なので36歳の設定になってます。

金竜飛少年時代の声優は小宮和枝氏
回想シーンでの画面は黄色の色で統一。
色指定&原画メインはは森本晃司氏。

★殺された男の名前は”金青蓮”
今頃どこかで飢えているだろう自分の家族へ
隊で支給されるわずかな食料を持って抜け出した・・・。
・・・金少年は思わず嘔吐。
吐き出した内容物で犯人と判明!
家なき子2、第9話にて全く同様シーンがリメイク?(パロディ?)される。
(萩原流行が安達由美に自分の過去を話すシーンです)
ジョーネタがいつも満載の”野島信司”脚本

★ロシータでの一連のBGMは羽田健太郎氏作曲のBGMを使用。
金田一耕助の冒険音源からチョイス。
○迷宮荘の惨劇
○悪魔が来たりて笛を吹く
○三つ首塔
○犬神家の一族

所持セル画リンク→

スタッフ&キャスト

脚本:篠崎好

絵コンテ:さきまくら

ディレクター:竹内啓雄・大賀俊二

原画:元木年久・杉野佐秩子・福島敦子・塚田信子
   森本晃司・鳥居愛緒・半田由利・谷野恵子

動画:加藤涼子・高奥誠也・小沢尚子

仕上げ:スタジオロビン 大野八重子・三木貴子・世良深雪
    下篠潤子

背景:小林プロダクション 工藤美由紀・小倉宏昌・柴田千佳子
   田辺智・石井睦夫

制作進行:横溝隆久


声の出演:寺島幹夫(玄曹達)、幹本雄之(兵士)、笹岡繁蔵(兵士)
     小宮和枝(金竜飛少年時代)、長堀芳夫【現・郷里大輔】(兵士)
     森茂樹(避難民)、田口昴(避難民老人)、小比類巻孝一
     佐々木るん(店員)

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