あしたのジョーファンサイトSOUL OF JOE

『意外な訪問者・・・ゴロマキ権藤』

★第38話/1981.6.29放送/視聴率7.2%★

ストーリー

野生児・ハリマオがボクシングの枠に収まらない相手である事を
知ったジョーは、ゴロマキ権藤を訪ねて助力を請う。
翌日丹下ジムにはゴロマキを先頭にヤクザ達が大挙し現れる。

ジョーは”ハリマオ戦対策”に
ヤクザ達とルール無用の”乱闘スパーリング”を展開する。
そのあまりに無謀な練習に段平は悲鳴を上げるばかり・・・。

ジョーは激しく血反吐を吐きつつも、打たれ強さやスタミナ、
そしてケンカの腕は十人を超えるヤクザ相手でも十分通用。
しかし、締めくくりとなった”ゴロマキ権藤”との対戦では、
見事に倒されてしまう・・・。

ゴロマキを”強くなった”と言うジョーに”衰えたのでは?”と、
切り返すゴロマキ。
しかし、夜道でジョーに不意をつく攻撃を仕掛けたゴロマキだが、
見事に交わされ、”やはり怖い人だ!敵には絶対に回さない”と発言。

マニアック視点

●丹下ジム、夜。
豪快にイビキをかいている段平。
(右手に一升瓶を持ち、枕元にコップ。)
●ジョーは旧丹下ジム付近で一人考え事。
(白木ジムでのハリマオとの一件について 映像はBANK)
段平やってきて、ジョーの側に座る。
”どうした?眠れねぇのか?河野のイビキがうるせぇか?”
(段平のイビキがうるさい?^-^;)
”ハリマオってのもふざけた野郎だ!
猿みてぇな面してオメエに挑戦してこようとは!
だが、これもまた運命ってやつだ!ハリマオをぶっちぎって、
後は一気にチャンピオンを・・・ホセに王手だ!”と段平。
(なぜか段平はカラオケでもしているようなポーズに?
この辺のカットは色トレスが無くなったりあったり・・・
AセルとBセルが逆になるミスもあり^-^;)
”そう行きたい所だ”と寝そべるジョー。
起きあがり、”ハリマオを倒さなければホセどころじゃねぇからな!”
・・・と川に石を投げるジョー。
(スロー作画。アンダースローからオーバーへ。)
タイトルへ
●毎朝スポーツ
”矢吹丈 世界戦の前に防衛戦決定”
”矢吹丈VSハリマオ”の新聞記事。
(丈という字の上に点が着いていたり着いてなかったり・・・)
●河野とスパーリング中のジョー。
軽く交わし、最後は背負い投げでFINISH。
(河野は泡を吹いてダウン・・・。)
窓越しに見ていた子供達は大喜び。
河野は”まじめにやってくれ”と言うが、
ジョーは”まじめにやっていいのか?”と切り返す。
河野はタジタジに。
(河野作画は杉野修正が入らない)
●段平が帰宅し、練習生達にジョーの事を聞くと、
練習を終えシャワーに・・・と伝えると段平の雷が!
段平はシャワー室を除くが、ジョーはいない・・・。
●ジョーは”ある人物”を求め夜の街を彷徨う。
(麗子、おいちゃん、barななめ、白鳥、マリー・・・等、
煌びやかな看板)
パチンコ屋の前を通り過ぎ、龍宮というお店の前で男女に質問するジョー。
(男、パンチで青のアロハシャツ 女、茶髪パーマで青のワンピース)
町中のSEに”スペース・インベーダー”が聞こえる。
PUB&BAR南無内を外から覗き、
○×エ サロンの看板の前でもゾウリを履いた男に質問するジョー。
●そして遂に待ち合わせへ。
(提灯に”酒 男の酒”と書かれた店内で待つジョー)
ジョーは先に着き一杯やっていると、”ゴロマキ権藤”が現れる。
『何か御用がお有りだとか・・・』とラークを吸いながら話しかけるゴロマキ。
『わざわざ、私を訪ねて下さったんだ・・・よっぽどの事ですね』とゴロマキ。
『ああ、是非、あんたにって思って・・・。』とジョー。
『解りました!お引き受けしましょう!』
内容も聞かずにOKするゴロマキ。
『えっ?俺はまだ何も・・・?』驚くジョー。
『男はよくよくの事でやって来た時、矢吹さん、あんた訳を聞いて、
引き受けたり断ったりしますかね・・・』とゴロマキ。
最高に格好良く渋いゴロマキにジョーは少し驚き、”ありがとうよ”と、
軽く笑い、応える。
(BGM:曲/男なら 作詞/西岡水郎 作曲/草笛圭三 歌/水原弘)
●丹下ジム
練習に余念が無いジョー。
ミットで受ける段平は体が大きくのけぞり、最後にはリング外へ放り出される。
練習生達はその迫力にビックリ。
記者達が訪れ、ジョーは入れ替わるようにロードワーク出かける。
ジョーは自分に客が来るかも・・・と言葉を残し出かける。
段平は記者達がジョーのやる気を削いだとご立腹。
(新ジムから丘まで上がる階段がわずか6段に・・・。)
●ジムから飛び出したジョー。
丘にいた子供達。タロー、サチ、キノコ、トン吉達はジョーに向かう。
(トン吉は逆さに寝ており、腹筋で必死に起きあがろうとするが、
そのまま丘を転げ落ちる・・・(^^;芝居が細かいです。)
●ジョーが戻ってこなくて苛立つ段平。
・・・そこへドアが開き、来たのは・・・!?
●ジョーは子供達と鉄棒で遊び点数で評価。
(ジョーは足をかけた状態で体を降り、そのままジャンプ)
たろう:8.5 きのこ:-3.0 とんきち:6.5 じょう:12.0
・・・というサチの評価。
(体操は10点満点でマイナスは無しだとクレームをつけるキノコ。
サチの頭がちょっと大きく描写されている。TV1の1話並)
●丹下ジムでは意外な訪問者”ゴロマキ権藤”が来客。
側にいた新聞記者は池袋で騒動を起こし、
ウルフの顎の骨を砕いたゴロマキだと言う事を知っている。
(1話のウルフVSゴロマキのBANK挿入)
ゴロマキ率いるチンピラヤクザも丹下ジムにゾロゾロと入ってくる。
同時に帰宅するジョー。
●早速、ヤクザ達相手に乱闘スパーリングを申し込むジョー。
ゾロゾロと一斉に上がろうとする連中にゴロマキは人数を限定する。
同時に懐にある物を吐き出させる。
(一番手前向かって右のヤクザは”ホセ”似)
タツ、ヒデ、キチ、トメが最初の相手。
●乱闘スパーリングをやる事を止めに入る段平。
しかし、ジョーは”ズバリケンカ!獣には獣の闘いを挑んでやるまでよ!
喧嘩屋ジョーの名前を取り戻して見せるぜ!”と4人に向き直るジョー。
(このカットのラストがちば先生構図)

●Bパート
ジョーはグラブのみ。ヘッドギアは付けず。
ヤクザ連中(タツ、ヒデ、キチ、トメ)はそのまま。
ゴロマキは防具を連中に付けることを勧めるが、
”何をしでかすか解らない所にこのスパーリングの意味がある”
とヤクザ達に防具を拒否するジョー。
”まず動物的な勘と同時に喧嘩殺法の勘を磨くことが先決なんだ”
・・・とジョー。
後ろでは早くしてくれ!・・・と焦れるタツ、ヒデ、キチ、トメの4人。
●ゴング無しで乱闘スパーリングがスタート。
ジョーにいきなり殴りかかるヤクザ達。
先制攻撃を受け、いきなりダウンするジョー。
●”不意をつかれるとプロボクサーもだらしねぇなぁ!
コレでトドメだ!”と蹴りを入れるヤクザ。
ジョーは蹴りを受け止め反撃に出る。
●”流石、プロの喧嘩屋さんだ!見事な先制攻撃だ!”
”あんたらの喧嘩は受けに回ったらもろいんだ!
赤子の手を捻るが如くな!BABY!”とジョー。
見事な攻撃で4人をあっさりKOするジョー。
ゴロマキにもっと生きのいいのをあげてくれ!とジョー。
●馬鹿にされ、怒ったヤクザ達は一斉にリングに上がる。
大人数のヤクザ達を相手に大乱闘のジョー。
”よおし!ドンドン来い!”とジョー。
”これっくらいの殺気がなきゃ、本当の勘は養えないんだ!”
●段平、止めにはいるが投げ飛ばされたヤクザにぶつかり転倒。
”走り出した列車は誰にも止められやしませんぜ!”とゴロマキ。
●SBC
ハリマオはスパーリング中。
(顔アップ、向かってくる白木ジムの選手腕の色を
ハリマオと同じ色で塗り間違え^-^;)
ハリマオ突然奇襲攻撃。
ジャンプし、頭上へパンチを繰り出す。
更に向かってきた敵に対し、コーナーの段差を使い上に上がり、
バック宙回転をしながら相手背後に回り、振り向き様強烈な右アッパー。
白木ジム選手、ダウン。
●スパーリングを見ていた葉子は会長室に戻ると、須賀が待ち受けており、
須賀は、ジョーが現在”乱闘スパーリング”を展開していることを話す。
●丹下ジム
段平”やめろ~!やめてくれ~!”と叫ぶ。
ジョー、背後から取り押さえられながらも強烈な攻撃!
ゴロマキにやめるように伝える段平。
ゴロマキは腕をまくり、自らジョーと闘うべくリングに上がる。
ヤクザ達にリングを降りる命令をするゴロマキ
(1人、命令を無視して向かおうとしたヤクザに蹴ろ入れるゴロマキ。
ジョーに向かう直前とゴロマキの蹴られた後でシャツの色が間違えて着色される。)
●”こんなナマクラ刀みたいな連中と小競り合いをしていては勘を磨くどころか、
返って鈍ってしまうでしょうからね。”とゴロマキ。
”遠慮はしませんぜ!”と一言残し、ジョーに突進。
ダウンするジョー。
ゴロマキの跳び蹴りを交わし、正当派ボクシングで対抗するが、
ゴロマキの見事な戦法に捕まる!
”同じ斬り合うなら、鋭い刀でスッパリやられた方が
回復が早いってもんです!”と合理的なプロの攻撃でジョーをKO。
(試合のたった5日前の乱闘・・・)
●起きあがったジョーが一言。
『それにしてもアンタ、随分強くなったぜ。』
『フフッ、冗談言っちゃ、いけませんや。
ブラブラ遊んでいるあたしが、強くなる訳ぁねぇ!
矢吹さんは何人もの相手ともみ合った後だから疲れていたんですよ。
それとも、あたしが強くなったと感じたのなら、
ひょっとしてアンタの力が少々衰えたのかもね。』・・・とゴロマキ。
”失礼させてもらう”と出て行くゴロマキをヤクザ達。
”衰えた!?この俺が?”とジョー。
(去り際にチラッとジョーを見て行くゴロマキ)
●夕方、ロードワークで汗を流すジョー。
●夜になり、一人ジムのリングで考え事をするジョー。
(ゴロマキの一言を思い出す。)
ジムを出て、ふらっと外に出るジョー。
突然、不意をつきジョーめがけて帽子が飛んでくる。
ジョーは素早く反応し、帽子をキャッチ!
”不意をつくのはあたしの性にはあわないんですけどね。
失礼しました”とゴロマキが現れる。
”あたしの思い過ごしの様です。さっきの言葉取り消します。
・・・やっぱり、あんたは怖いお人だ。
あたしなら決して敵に回したりしませんね。”と言うゴロマキ。
『矢吹さん、ハリマオ戦、楽しみにしてますぜ。ごめんなすって。』
・・・と言い残し去るゴロマキ。
”ありがとうよ。あんたのお陰でなんか、やたら燃えてきたぜ”
と心で思うジョー。
●試合当日は雨。
西が遅れている。
(ジョーは店の事や紀ちゃんの事で忙しいんだろ・・・と言うと、
”紀ちゃん”に反応した段平は照れる。(^^;)
TV関東が用意してくれた車で東京体育館に向かうジョー。
●雨の降る中、車移動する矢吹陣営。
”ゴロマキ権藤に叩きのめされ、ハリマオをやるのが怖くなったのか?”
と、ジョーの様子が変だと指摘する段平。
”ハリマオが怖いだと?わらわせんなよ!
たかがあんな野郎、1分もあれば血の海に泳がせてみせらぁ!”
とジョー。
”そうこなくちゃいけねぇ!その一言を聞いて安心したよ!”
と高笑いする段平。
東京体育館が近づく・・・。

ハーモニーショット

★”ハリマオってのもふざけた野郎だ!
猿みてぇな面してオメエに挑戦してこようとは!
だが、これもまた運命ってやつだ!ハリマオをぶっちぎって、
後は一気にチャンピオンを・・・ホセに王手だ!”と段平。
”そう行きたい所だ”と寝そべるジョー。
ハリマオの顔アップから引き、背後にはホセ。T.Bハーモニー(1)
★乱闘スパーリングをやる事を止めに入る段平。
しかし、ジョーは”ズバリケンカ!獣には獣の闘いを挑んでやるまでよ!
喧嘩屋ジョーの名前を取り戻して見せるぜ!”と4人に向き直るジョー。
(このカットのラストがちば先生構図)ハーモニー(2)

2枚 (合計318枚)

注目ポイント

★ジョーが、ゴロマキを探し歩き、
出会う約束になった居酒屋(提灯には”男の酒”と明記)
このお店内でのBGMは”男なら”です。
曲名:男なら 作詞/西岡水郎 作曲/草笛圭三
歌:水原弘

ゴロマキとの会話も”男”の会話。
この”男”づくしは制作スタッフのこだわりですね!

男の会話その全貌
ジョーは先に着き一杯やっていると、”ゴロマキ権藤”が現れる。
『何か御用がお有りだとか・・・』とラークを吸いながら話しかけるゴロマキ。
『わざわざ、私を訪ねて下さったんだ・・・よっぽどの事ですね』とゴロマキ。
『ああ、是非、あんたにって思って・・・。』とジョー。
『解りました!お引き受けしましょう!』
内容も聞かずにOKするゴロマキ。
『えっ?俺はまだ何も・・・?』驚くジョー。
『男はよくよくの事でやって来た時、矢吹さん、あんた訳を聞いて、
引き受けたり断ったりしますかね・・・』とゴロマキ。
最高に格好良く渋いゴロマキにジョーは少し驚き、
”ありがとうよ”と、軽く笑い、応える。


★乱闘スパーリング最後の台詞。
パンチドランカー、ジョーの衰え?
『それにしてもアンタ、随分強くなったぜ。』
『フフッ、冗談言っちゃ、いけませんや。
ブラブラ遊んでいるあたしが、強くなる訳ぁねぇ!
矢吹さんは何人もの相手ともみ合った後だから疲れていたんですよ。
それとも、あたしが強くなったと感じたのなら、
ひょっとしてアンタの力が少々衰えたのかもね。』
ゴロマキの攻撃はボクサーが意識しない方面からの攻撃に徹する見事な戦法。
後に夜道で不意打ちをし、見事交わすジョーに上記台詞を訂正するゴロマキ。
※原作ではこの不意打ちはありません。


★TV関東が用意した車に乗り東京体育館に向かうジョー。
口笛を吹いている。(印象的なフレーズなので何かの曲だと思われます)
あおい輝彦氏自身の歌でしょうか?

★この38話は”色トレス”が大幅に省略されたカットが目立つお話でした。
ジョーは光と影の演出で美しい画面構成を作り、
キャラクター自体にも影(色トレス)をふんだんに使用した作品でしたが、
その色トレス部分が無いカットが目立ちました。
所持している動画を見ると、色トレス指示があるのに実際は省略されている所を見ると、
スケジュールの都合等で大幅にカットし、進行重視したのだと思われます。
今回はモブ作画も多かったので原画アップに時間がかかったのかもしれません。


所持セル画リンク→

スタッフ&キャスト

脚本:篠崎好

絵コンテ:

ディレクター:大賀俊二

原画:神宮慧・福地信之・児玉兼嗣・中村真・小林慶輝
   道下有希子・鳥居愛緒・半田由利
動画:高橋のり子・北野由美子・杉山典子・長縄宏美
   須藤昌明・大村まゆみ・小畑浩子
仕上げ:グループジョイ 木村文一・岸好子・小杉宏幸
    佐藤敦子
撮影:高橋プロダクション 宮内征雄・大田勝美・平山昭夫
   安津畑隆・小林武男
   
制作進行:柳内一彦

声の出演:千葉繁(神田)、井口成人(新聞記者)
       笹岡繁蔵(辰)、長堀芳夫【現:郷里大輔】(吉)
       楠正道(ヤクザ)、小滝進【現:大滝進矢】(留)
       小比類巻孝一(新聞記者)、田口昴(ハリマオ)
       松田重治(河野)、小野丈夫(飲み屋のおやじ)

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