あしたのジョーファンサイトSOUL OF JOE

『ジャングルに・・・野獣が二匹』

★第39話/1981.7.6放送/視聴率8.4%★

ストーリー

遂にジョーVSハリマオの対戦の日が来る。
控え室で須賀は、ハリマオは大小様々なチョコを与えると、
最後まで一番大きいチョコを残す・・・とジョーに話す。

ハリマオ戦の試合開始。
有利に進めるジョーだが、2R終了間際にハリマオに野生の殺気を感じる。
そして、3R開始早々、奇襲を仕掛けてくるハリマオにジョーは2度のダウン。
4R開始直前にはジョーを求め、”男”が試合会場に入ってくる・・・。
試合は、ハリマオの奇襲を見事逆手に取り、見事逆転KO。(4R58秒)
勝利インタビュー中に現れた”男”は、廃人となり変わり果てた姿のカーロス・リベラだった。

控え室でカーロスにシャツをプレゼントするジョーだが、
カーロスはドランカー症状の為、上手くボタンがはめる事が出ない・・・。
代わりにボタンをはめてあげようとするジョーだが・・・。

マニアック視点

●ゴロマキとの乱闘の回想シーン(BANK)
※BANKの為に色トレス部分を修正する作業な無し。
●東京体育館
ジョーとハリマオの看板
東洋太平洋タイトルマッチ
バンタム級チャンピオン 矢吹丈(丹下ジム)
バンタム級9位 ハリマオ(マレーシア)
(看板の手前をダブラシ処理の傘の動画が横切る)
●ジョーの控え室。
須賀はハリマオが”秘密兵器”をこの試合の為にこっそり取ってある事を伝える。
これは須賀の勘。
”ハリマオはいつも八分目。目一杯のハリマオは見たことがない。
どんな時でも余裕を残している”と須賀。
(須賀の首部分、Yシャツを同じ色に塗り間違え(^o^;)
『あのハリマオに大小様々なチョコレートをいくつか与える。
すると彼は一番大きいのをちゃんと最後まで取っておく。』と須賀。
ジョーは”その大きなチョコレート、俺が食っちまったら怒んだろうな!”と言う。
タイトルへ
●外は雨。
歩道橋で傘を差し、※音楽を口ずさむカーロス。
らんらら~ん・・・と言ってるが、口パクにはらんらる~んが合います(^O^;
(背後:ゆっくり走ろう 正面:交通安全週間・・・の垂れ幕が歩道橋に)
そしてゆっくりとカーロスは試合会場の東京体育館に進む・・・。
(壊れ破れた傘にボロボロの服。肩には鞄をかけている)
●1R開始。
段平は冷静に様子を探れ!・・・とジョーに指示。
ハリマオは吠えながらジョーに突進!
”かまわねぇぜ!いくら吠えたって!
ここはお前の生まれ故郷密林と同じ”四角いジャングル”だからな!”とジョー。
ジョーはじっくりとハリマオの出方を見つつ効果的な攻撃で沈着冷静に闘う。
試合会場前に来るカーロス。
(カーン、カーン・・・のカーロス声と合わせる様に1R終了)
終了間際、ストップをかけるレフリーにハリマオはパンチ!
一斉に笑う観客。
インターバル中にジョーへ声援を送るゴロマキ一行。
(インターバルで斜め後ろのジョーのモミアゲが塗り忘れ(^o^;)
●2R開始。
このラウンドはこちらから仕掛ける・・・とジョー。
ゴングと同時にラッシュをかけるジョー。
吠えながらジョーに突進するハリマオだが、軽く交わされる。
”技術、パワー共、矢吹が格上”と評価する解説者。
強烈なボディブローでハリマオは腹を押さえながらコーナーへ。
コーナーのロープを大口で噛みつけるハリマオに段平はビックリ。
(段平、かなり大きなリアクションです。)
●カーロス、切符無しで入ろうとするが、係の人間に止められる。
(押し出され、転ばされてしまう・・・)
『ワタシ、ボクシング強イネ。チャンピオント、闘ッタヨ。』とカーロス。
どこかで見たことある外人・・・と思う係員。
”HELLO,HELLO・・・HOW ARE YOU?・・・オゲンキデスカ?
懐カシイ・・・ワタシモ元気。オ酒飲ミマシタ。雪ガ綺麗ダッタ、
ギコギコブランコ揺レテマシタ。・・・オマエ、友達ネ。・・・友達ネ。”と、ジョーの看板を見つめ、
涙を浮かべ、そして流すカーロス。
”オイ、泣いてらぁ・・・”
”馬鹿、雨の滴だよ・・・”
・・・と係員達はカーロスを見つめる。
●ジョーの一方的な攻撃が続く。
コーナーから動かないハリマオにジョーは煽る。
”さあ、どうしたハリマオ!打って来い!
売り物のジャングルの野生ってやつはどうした!?
チョコレートがねぇと駄目か?”
ジョーの猛攻にダウンかと思いきや、バク転で逃れる。
その後も猛攻が続くが、2R終了間際、
ハリマオに殺気を感じたジョーは攻撃の手を止める。
●”あぶねぇ、ゴング間際に何かしようとしやがった
・・・いよいよ始まるぜ!密林戦法がよ!”とジョー。
青コーナーではジョーを睨み付けるハリマオ。
●3R開始
開始早々、ジョーの頭上へジャンプするハリマオ。
意表をつかれたジョーは、慌てて上を見上げる。
その後、頭上からの強烈なパンチを浴びるジョー。
更にコーナーに追い詰められたジョーは、ハリマオの回転パンチの餌食に!
ジョーは遂にダウン!
ロープで後頭部を強烈に強打!(2度も)
”出ました!ハリマオ!恐るべき逆転の一撃!”とアナウンス。

●Bパート
ハリマオ、バク宙しながら高笑い!
”ジョー立て~!”と段平。
(※実は滅多に言わない台詞です)
ギリギリで立ち上がるジョー。
”今のがとっておきのチョコレートかよ?
味も香りもてぇした事ねぇぜ!”と直ぐさまハリマオに突進するジョー。
●ハリマオ、ロープを使い勢いを付けてジョーへカウンター!
血を吐きながらも反撃をするジョー。
ハリマオを追い詰めたかに見えたが、またもロープを使い宙高く舞い、
頭上より回転しながら強烈なカウンターを繰り出すハリマオ。
ジョー、このラウンド2度目のダウン!
カーロスが会場に入ってくる・・・。
『矢吹っ!立てぇ!』ゴロマキ、思わず興奮!
・・・ジョー、かろうじてカウントアウトを免れ、ゴング!
●『ジョー!大丈夫か?出来るか?』と心配そうな段平。
『変な事聞くなよ、おっつあん。飛んだり跳ねたり結構楽しい試合だぜ!
血湧き肉躍る・・・ってのはこのこったい!・・・へへっ、次のラウンドな、
俺もとっておきのチョコレートを出してみるわ!』とジョー。
●4R開始。
開始早々ラッシュを喰らうジョー。
(2カットで同じ背景使い回し:観客の顔背景)
ハリマオ回転パンチを炸裂!
(最初の2カットは回転の向きが違うミス)
一端動きを止めたハリマオは再度回転パンチに入った所で、
ジョーもタイミングを合わせ宙に舞う。
ハリマオに合わせて降りてきた所に強烈な全体重をかけた
カウンターを繰り出す、ジョー。
ジョーは空中に浮いているため、ハリマオのパンチは空を切り、
ジョーの落下パンチをもろに喰らうハリマオ。
その反動でハリマオは宙に舞いそして、落下。
R4開始58秒!ジョーの逆転KO勝ち!
●白木葉子、会場を去ろうとしたときに、
リング上に向かうカーロスを目撃する。
”まさか・・・!”
(葉子の背後にジョーが通る:スタッフの遊び)
●『矢吹さん、見事なKO勝ち!今の心境はいかがですか?』
『心境?もうチョコレートは二度と見るのは嫌だ!』
この直後、リングに来ていたカーロスを目撃するジョー。
”カーロス!”・・・とジョー。
ロープ下段をかき分けカーロスがリングに上がってくる。
『ブラボー!ユーハ、ベリーベリーストロングマン!』
とカーロス。
『間違いねぇ!カーロスだ!』と微笑むジョー。
係員は”只見の男”としてリングから降ろそうとするが、
ジョーは招待客だと言い、控え室に案内させる。
●表彰される、ジョー。
(タイトル防衛とその勝利を表彰します。
昭和56年 日本ボクシング協会コミッショナー)
商品やインタビューを拒否し、賞状とタテのみ持ち、
”後はよろしくたのむぜ~!”と控え室へ走るジョー。
しかし、その場に転倒するジョー。
(原作では観客が笑う)
不安そうに見つめる葉子。
●通路を歩くジョーと段平。
『ばっきゃろ~!試合でへばってんのに急に駆け出すからだ!』
と段平。
『待ってくれ!おっつあん、ちょ、ちょっと目が・・・。』とジョー。
心配した段平は代わりに持っていた賞状とタテを落とし、ジョーに駆け寄る。
”大丈夫だ!立ちくらみってやつだ”とジョー。
(ジョーの目は明るいグレーで着色される)
”びっくりさせやがって・・・よし行こう!カーロスが待ってる”と段平。
落とした賞状とタテを拾い歩く段平。
(段平の背中表示の”矢吹丈”の文字が1コマだけ消える動画ミスあり)
●控え室。
西は確かによく見ればカーロスだとジョーに言う。
ジョーは一目でカーロスだとわかったと切り返す。
『ジョー・ヤブキ、ユーハ、ベリーベリーストロングマン、
&ミーモ、ベリーベリーストロングマンネ!
ココデ、モウ一度ドッチガ強イカ、試合シマショウ!』
とカーロス
”アブねぇ!素手で!やめろぉ!”と割り込む段平。
ジョーは段平を制す。
『ファイト!ファイトネ!フフフ・・・タノシイネェ~!』
と言い、パンチを繰り出すカーロス。
簡単にパンチを受け止め、”何てこった!
あの稲妻みたいなジャブがこんなんなっちまって・・・こんな
見る影もねぇ程ボロボロによぉ・・・”と涙するジョー。
(カーロスとの雪のクリスマスイヴ回想BANK挿入)
●『ヘイ、左ストレート!次ハ右アッパーネ!
フフフ・・・ファイト!ファイト!ジョー!』パンチを繰り出すカーロスに
”わかったよ、カーロス”と言い泣きながら抱きつくジョー。
(BANKの雪のシーンから続けて画面に雪をダブらす演出)
●控え室入り口でカーロスとジョーの光景を見ている葉子。
カーロスが泥だらけのなので、新しいジョーのシャツをプレゼント。
カーロスはべーリーナイス!と満足顔(水色のダンガリーシャツ)
『ワタシ、似合イマスカ?』とカーロス。
『おお!ピッタシだ!洒落っ気だけは相変わらずだ!』と笑うジョー。
葉子の存在に気付いたジョーは”見るんじゃねぇ!出て行け”
”ここは女の来る場所じゃねぇ!”と叫ぶ。
(右手で大きく出ていけと合図の動き)
”今夜はともかく、明日から責任を持ってカーロスを白木ジムが預かりたいと思います”
と葉子。
”そうはいかねぇ!カーロスは俺を訪ねて来たんだ!”と剣幕のジョー。
”責任も持って、出来るだけの事をワタシが・・・”と更に葉子。
”何の責任だよ!・・・言ってみよろ!”とジョー。
葉子は言葉を失う・・・。
●カーロスがドランカー症状の為指が上手く使えず、
ジョーがあげたシャツのボタンをはめられず、泣き出してしまう・・・。
それを見たジョーは”俺がはめてやる”と歩み寄る。
しかし、同様に手が震え上手くジョーもはめられない。
”カーロスこそ、パンチを受けたダメージにより、
ボクサーが蝕まれる後遺症・・・つまり、パンチドランカーの
典型的な症状だと思われます。幸い私はそのパンチドランカーの権威、
ハワイ大学のキニスキー博士を知ってます。その博士にカーロスを診察して頂ければ、
まだ治療の見込みが無いとは言い切れません。カーロスだけでなく、
カーロスと同じボクサーの症状の誰もが・・・”と言う葉子に、
”うるせえぞ!こんな時に!何だってんだよぉ!”と怒るジョー。
引き続き、カーロスのボタンをはめてあげようとするジョーだが、
ボタンは1つもはめられず、ちぎれ落ちてしまう・・・。
あきらめたジョーは西に代わりを依頼する・・・。
やりきれないジョーは側にあったコップを床にたたきつけてしまう・・・。

ハーモニーショット

★東京体育館:ジョーとハリマオの看板
東洋太平洋タイトルマッチ
バンタム級チャンピオン 矢吹丈(丹下ジム)
バンタム級9位 ハリマオ(マレーシア)
看板の写真(ジョー&ハリマオ)ハーモニー(1)
★カーロス、切符無しで入ろうとするが、係の人間に止められる。
(押し出され、転ばされてしまう・・・)
『ワタシ、ボクシング強イネ。チャンピオント、闘ッタヨ。』とカーロス。
どこかで見たことある外人・・・と思う係員。
”HELLO,HELLO・・・HOW ARE YOU?・・・オゲンキデスカ?
懐カシイ・・・ワタシモ元気。オ酒飲ミマシタ。雪ガ綺麗ダッタ、
ギコギコブランコ揺レテマシタ。・・・オマエ、友達ネ。・・・友達ネ。”と、ジョーの看板を見つめ、
涙を浮かべ、そして流すカーロス。ジョーの看板T.Uハーモニー(2)
★”オイ、泣いてらぁ・・・”
”馬鹿、雨の滴だよ・・・”
・・・と係員達はカーロスを見つめる。
看板のジョーの画、ハーモニー(3)

3枚 (合計321枚)

注目ポイント

★原作ではまず滝川修平と闘い、東洋ランキング入りするハリマオだが、
アニメでは日本での滝川戦はカットされ、
東洋ランキング入りを果たした状態で来日し、矢吹戦へと挑む。
東洋太平洋第9位 マレーシア ハリマオ

★ 歩道橋で傘を差し、※音楽を口ずさむカーロス。
らんらら~ん・・・と言ってるが、口パクにはらんらる~んが合います(^O^;
※この曲はミュージカル映画『雨に唄えば』のテーマソング
映画『時計じかけのオレンジ』でも印象的に使用されています。

★アニメでは滝川戦も省き、
ハリマオの試合自体もかなり淡泊な仕上がりになってます。
原作ではロープの反動を利用した”飛翔攻撃戦法”を滝川戦の決め手で使いますが、
ジョーはロープの一カ所に衝撃をくわえハリマオを”スリップダウン”にさせる。
そして、”回転パンチ”の詳細な解説と、それをジャンプした事で粉砕したジョーの
”完全無比なカウンター”の解説、そして逃げまどうハリマオ・・・全て短縮されています。

★3Rで1日目のダウンの際に段平は”たつんだ、ジョー”と叫びます。
段平はイメージほどこのセリフを叫びません。
むしろ”立つんじゃねぇ!”のタイプです。
2回目のダウンの際にはゴロマキ権藤が”矢吹、立て~!と珍しく興奮しますが、
イメージ的には”矢吹さん、立てますよ!”が合います。
※当時日本テレビから出版されたアニメコミックスには上記の様に記載。

★スタッフの遊び♪
ハリマオ戦が終了後、リングに上がろうとしているカーロスを見つけた葉子は
『まさか・・・』と、カーロスを見つめます。
この際に葉子の近くを通り過ぎる人々の中に”ジョー”がいます。
顔は出ませんが、お馴染みのコートと赤のトレーナーを着ています。

★控え室でカーロスと対面するジョー。
『ファイト!ファイトネ!フフフ・・・タノシイネェ~!』
と言い、パンチを繰り出すカーロス。
簡単にパンチを受け止めるジョーは”何てこった!
あの稲妻みたいなジャブがこんなんなっちまって・・・こんな
見る影もねぇ程ボロボロによぉ・・・”と涙する。
このシーンは途中に”雪が降ったクリスマスイヴでの
カーロスとジョーのシーン”がBANKで挿入され、
控え室でのシーンでも雪が手前に被さる演出が効果的。
(劇場版では雪の演出はありません)

★カーロスがドランカー症状の為指が上手く使えず、
ジョーがあげたシャツのボタンをはめられない・・・。
それを見たジョーは”俺がはめてやる”と歩み寄る。
しかし、同様に手が震え上手くジョーもはめられない。
※アニメではボタンを1つもはめられないジョーだが、
原作では2つまでボタンをはめている。
そして、原作でカーロスはホセVSジョー戦でも
ジョーにもらったこのシャツを着てきている。(×模様のシャツ)

所持セル画リンク→

スタッフ&キャスト

脚本:篠崎好

絵コンテ:さきまくら

ディレクター:竹内啓雄・大賀俊二

原画:札木幾夫・本木久年・杉野佐秩子・大塚伸治・大橋学
   平山智・児玉兼嗣・小林慶輝・道下有希子
動画:加藤涼子・高奥誠也・吉田悦子・佐々木章子・小沢尚子
   金子茂子
仕上げ:スタジオロビン 大野八重子・三木貴子・世良深雪
    下條潤子
撮影:高橋プロダクション 宮内征雄・斉藤佳三・細野正
   中村喜則・宇田川孝
   
制作進行:尾崎穏通

声の出演:水野鉄夫(解説者/東野)、田口昴(ハリマオ)
       井口成人(レフリー)、幹本雄之(やーさま)、笹岡繁蔵(やーさま)
       長堀芳夫【現:郷里大輔】(コミッショナー)、鈴木誠一
       小比類巻孝一(アナウンサー)

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