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『衝撃・・・葉子の予感』

★第42話/1981.7.27放送/視聴率6.1%★

ストーリー

段平同様ジョーの体を心配する葉子は、
パンチドランカーの権威キニスキー博士に問いつめる。
結果、推論を前提ではあるが、99%の疑いがある事を伝えられる。

葉子はジョーをキニスキー博士に診断して貰う為、
ドライブがてらとジョーを誘い出し、羽田まで連れて行く。
偶然を装い現れたキニスキー博士を見て状況を察したジョーは、
その場を立ち去ってしまう・・・。

葉子は連日丹下ジムへと連絡をするが、ジョーは応対を拒否。
葉子は、連絡手段を変え、封書で”ある物”を郵送。
”ある物”とはキニスキー博士がカーロス・リベラを診断した際に撮ったレントゲン写真。
その写真にはホセ・メンドーサがカーロス・リベラをKOした際に放った
テンプルへの亀裂が頭蓋骨に記されていた・・・。

マニアック視点

●早朝、まだ薄暗い道を河野達とロードワークするジョー。
(河野珍しく修正が入り、キリッとした顔立ち)
段平は新聞(スポーツ日刊)を読み、
ロードワークから帰ってくるジョー達をジムで待つ。
新聞には以下の記事が掲載。
”ホセ・メンドーサ伊豆のキャンプより東京入り”
ホセの白黒写真。
”白木ジムで本格的スパーリング開始”
パートナー相手にスパーリング中の白黒写真。
”矢吹もハードスケジュールに挑む”
ファイティングポーズを取ったジョーの白黒写真。
●時刻は6時半になり、
段平は外に出て、自転車でジョー達を迎えに行く。
ジョー達に合流した段平は、
『よし!ジョー!全力ダッシュだっ!』とかけ声をかける!
『OK!』と叫び、ダッシュし、向かってくる段平とすれ違うジョー。
タイトルへ。
●SBC
公開練習中のホセ・メンドーサ
サンドバッグを叩く迫力に驚く記者達。
そこに現れるキニスキー博士。
練習終了後、ホセはキニスキーの診断を受ける。
●葉子は愛車(黒いロータス・ヨーロッパ)にキニスキーを乗せ、
高速を走る。(ナンバー杉並54 あ11-73)
夕食を白木邸に招く。
葉子は運転中に”なぜお話してくださいませんの?”
と沈黙を保つ、キニスキーを問いつめる。
”ハッキリした答えをお持ちするお約束だったはずです。
来日してもはや2週間・・・なぜその件に振れようとしませんの?”と葉子。
”ミス・ヨーコ、まだ結論は出てないと、何度も申し上げた・・・
彼を実際に診察しなければ、何とも言えません。
推察を結論とする事は出来ないのです。”とキニスキー。
葉子は”推察でも何でも”聞きたいと言い、車を非常用パーキングに寄せる。
葉子はキニスキーが何も言わない事で全てを解っていると言いつつ、
”厳然たる事実の前に立ちたい”とキニスキーに更に問いつめる。
”あなたに取って、ジョー、ヤブキとは?”と言うキニスキーだが、
”わかりました・・・そうとは知りませんでした。お話しましょう”と、
うなずき話し出すキニスキー。
あくまで推論です。99%の確率があるとしても、
残りの1%で全てが変わることがある・・・。
『99%、パンチドランカーの疑いがあります・・・しかもかなり重い。

(俯瞰で捉える葉子の車。高速横にGIGEと書かれた大きな看板がある。)
『ありがようございました、博士。』と一言いい、エンジンをかけ直す葉子。
『では残りの1%の為に私の出来る事をお教えください。』と葉子。
”ただ1つ、彼を診察出来るチャンスを作ってください”とキニスキー。
”わかりました”と言い、ロータスを走らせる葉子。
(ロータス・ヨーロッパのライトはキー横のスイッチを上げる事で発光)
●丹下拳闘クラブ
電話が鳴り響く。
(電話はダイヤル式、下段にプッシュのメモリーらしきボタンがある)
段平が電話に出ると、相手は葉子。
葉子の用件はジョーへ。
シャワー中のジョーに段平が伝達。
●ジム外の土手でロータスでジョーを迎える葉子。
ジョーのスケジュールがもう”寝るだけ”と聞いた葉子は
ジョーをドライブに誘う。
葉子は右側のドアを中から開け、ジョーに同席を誘う。
”ようし、高速をぶっ飛ばしてもらって、少し風にあたるか!”とジョー。
”いいわよ”と葉子。
●高速走行中のロータス・ヨーロッパ
(ナンバーが変更?杉並22 ひ11-73に)
ジョーはホセが白木ジムでトレーニング中だと言う事を葉子に確認する。
そして、ホセが自分を待っているのかと、葉子に聞くが、
”行けない?私がドライブに誘っては?”と言う葉子にジョーは困惑。
ロータスは羽田空港へ・・・。
(高速走行中のロータスのバックに飛行機が飛び立つレイアウトは格好いいです)
●空港のレストランでお茶するジョーと葉子。
葉子の問いかけにまともに返答しないジョー。
その時、キニスキー博士登場!
偶然を装い、キニスキーに挨拶し、握手する葉子。
ジョーにキニスキーをゴメス戦の時同様に紹介する葉子。
ここで、ジョーは葉子の企みにようやく気付く。
葉子の企みは、
パンチドランカーの権威キニスキーにジョーを診断させること。
(東京体育館でのカーロスとの再会シーンBANK挿入)
しかし、5時起きでロードワークがあると立ち上がり帰ろうとするジョー。
引き留める葉子に”俺はな、アスパラガスと医者は食わず嫌い”と言い去るジョー。
”楽しかったぜ!ドライブごっこ”と捨て台詞のジョー。
”仕方がありません次のチャンスを待ちましょう”とキニスキー。
葉子はキニスキーに一礼をし、慌ててジョーの後を追うが、
ジョーはタクシーに乗り込む。
”山谷のよ、泪橋だ”と行き先を言うジョー。
●翌朝早朝、東京タワー付近をロードワークするホセ。
背後には車で後を追うカバレロ以下トレーナー達。
そのロードワークを待っていたかのように道に立っている須賀。
●朝食を食べるホセ。
ハンバーグにサラダ、オレンジジュース。
葉子を通じてインタビューを申し込んだ・・・と朝食中のホセに近づく須賀。
○無冠の帝王カーロスの挑戦を避けていた事
○カーロスに挑戦できたのはヤブキに壊されていたから
この2つについてコメントを貰うべく、”あなたにとって、
大変プライドを傷つけられた噂だと思うが・・・”と須賀はホセに質問。
”ノー・・・私は噂で傷つく様なプライドは持ち合わせていない”とコメントするホセ。
『OK・・・ミスターチャンピオン、試合を楽しみにしてます』と須賀。
ホセは”THANK YOU”とオレンジジュースを翳す。

●Bパート
”実際の所、彼がパンチドランカーであると結論を出すのに時間がかかりました”
とキニスキー。(ハリマオ戦のVTRを葉子と見ているキニスキー)
”なぜなら、試合における彼の動きは、一件正常に見え、
不審な点を発見しにくかったからです”(金戦のビデオ)
”パンチドランカーのもう一つの特色は緊張し、気力の充実している時は、
その兆候が現れにくいのです。特にジョー・ヤブキの様な上り坂の選手は・・・
だが、その緊張が溶けたときには微妙にその症状を現してます。
それは試合を重ね、緊張を繰り返す度にドンドン多くなる・・・。”
(ジョーの歩く足のアップ、ビデオで巻き戻す・・・)
ジョーを一考も早く私の所へ!・・・と葉子に話すキニスキー。
そして、新しい事実とし、カーロスのレントゲン写真を葉子に見せるキニスキー。
葉子、ハッとなり、表情が変わる。
●夕暮れ時、葉子は丹下ジムへ段平宛に電話を入れる。
(プッシュ方式の電話、四角いボタン)
河野が呼びに行くが、段平はトイレに入っており、代わりにジョーが出る。
葉子はジョーにもう一度キニスキーを合わせたいと言うが、
先日その手合いは嫌いだと言ったはず・・・と電話を切ってしまう。
段平が戻ってくるが、用件を済ましたと伝えるジョー。
ジョーはそのまま河野とスパーリングへ。
●夜。
窓を開けて降っている雨をぼっと見つめるジョー。
同時期、葉子はロータスで白木邸に帰宅。
幹之助に酒を勧められて付き合う葉子。
ジョーは雨の中、トレーニングに出かける。
●葉子はジョーの野生が無くなった様に感じた時期の事を振り返る。
”彼の持つ、ハングリーさと飽くなき闘争本能が東洋チャンピオンになり、
マスコミからも騒がれ、少しずつ・・・少しずつ下降線を
たどり始めたのではないかと・・・でも、それは間違いでした。”よ葉子。
”つまり、パンチドランカーの成せる技であったと言うのだね”と幹之助。
”あぁ、どうしてもっと早く気付かなかったのかしら・・・わざわざ、
ハリマオ戦を組んだりして、彼のドランカー症状をあおり立てる
マネをしてしまったのです。”と声を大にして叫ぶ葉子。
”仕方がない事だよ、葉子。悔やむことはない、
全て矢吹くんの為を思ってした事だ。・・・それより、これからだ!
これからどうするべきかが、問題なのだよ”と幹之助。
”わかっています、おじいさま”と葉子。
雨の中子犬と走るジョー。(少し楽しそうです)
子犬と、ブランコに一緒に乗って、胸に抱くジョー。
葉子はジョーに重要な新しい事実を知らせなくてはいけない・・・と決心。
●丹下ジムに電話が入り、河野が対応。
葉子からの電話と知ったジョーは、段平共々出稽古で留守だと伝言させる。
段平は重要な用件だったらどうすると気にするが、葉子のジムにはホセがいるので
敵方とゴチャゴチャ出来ないと一括。
”ファイトに影響する”と葉子の電話に出ない事を段平と約束するジョー。
●翌、夕暮れ時。
(旧ジムドブ川にはアメンボが泳いでいる)
ジョー宛に来た電話を神田が出る。
白木ジムからだと知ったジョーは居留守を使わせる。(本日3回目)
神田は電話の保留機能を使用せず、やりとりは葉子につつぬけ。
●葉子は連日、丹下ジム前の土手でジョーが出てくるの待ち続ける。
”おい、見ろよ、今日も来てるぜ”と窓からのぞいて見ている練習生達。
(土手の階段は7段 葉子はロータスを停め、傘を差している)
段平も流石に連日の葉子の行動に気がとがめる。
しかし、一緒に居留守を使わされている為、段平も出て行けない。
●雨の中ひたすら待つ葉子を見つめる子供達。(サチ、キノコ、太郎。チュー吉)
”レディーはさ、あんまし腰を冷やしたりしたら、美容に良くないんだって”と、
持っていたカイロを差し出すサチ。
”ありがとう”と言い、受け取る葉子。
●葉子が帰宅するのを見届けたジョーはトレーニングに励む。
ジョーはホセの記事の載った新聞を眺めていた。
(”ホセ、絶好調!恐るべきパワー”と描かれホセ写真入り。)
”まったくあいつがうろうろしてるもんでろくに練習も出来ねぇ!”とジョー。
●葉子、うつろな表情でロータスを飛ばす。
(水たまりで跳ねた雨水がフロントガラスにかかり、すかさずワイパー。
この描写は格好いいです。)
●白木邸に帰宅する葉子。
幹之助は”矢吹くんにに会えたのか?”と聞くが、
葉子は”いいえ”と暗い顔。
幹之助は場合が場合なので直接コミッショナーに会い、
話を付けようかと相談するが、この事は直接自分がやると言う。
『彼が納得しない限り、私もまた納得出来ないからです』とキッパリ。
●翌日、葉子から手紙が段平とジョー宛に速達が送られてくる。
(東京都台東区泪橋1の25の3)
新ジム屋上で寝ていたジョーに段平がその手紙を見せに来る。
(屋上には洗濯物が干してあり、風で揺れている描写)
ジョーと段平宛だったので段平が先に内容を見て知らせに来た。
”驚くべき事実がここに書いてある”と手紙を見せる段平。
レントゲン写真をジョーに渡す段平・・・。
『取り急ぎ、私が仕入れた事実のみをまずお知らせします。
世間も私も、そして恐らくあなた達までもが信じていた定説が
間違いであった事が証明されました。
このキニスキー博士がお撮りになった、レントゲン写真が、
”カーロス・リベラを廃人にしたのは矢吹丈だ!”という定説を
見事覆したのです。そう、この写真に見られるテンプル部分の
複雑な亀裂、この複雑なヒビは決して直線的な衝撃では生じないそうです。
これこそ、”コークスクリューパンチ”・・・つまり、
手首をスクリュー状にひねって、ダメージを倍加する
高等打法によってのみ起こる独特な亀裂だそうです。
もはやお解り頂けたかと思いますが、カーロスVS矢吹戦のフィルムを、
何度見直しても、あなたはカーロスに対して、テンプルはおろか、
一発もコークスクリューパンチなるものを打っておりません。
それに対して、メンドーサがカーロスをKOした一撃は、紛れもなく、
テンプルにひねり込んだコークスクリューパンチであったのです。』
段平は唯一の頼みだった心理的優位ってヤツが消し飛んだ・・・と慌てる。
”おめぇじゃなくて、ホセだったんだよ!あのカーロスをぶっこわしたのは!”
と叫ぶ段平。
”心理的優位?そんなん俺は始めから持っちゃいねぇよ”とジョー。
レントゲン写真を段平に渡し、階下に降りるジョー。
『そして、矢吹くん、私はあなたにもう一つの事実を知って欲しい・・・。
これはあなたに直接会い、直接お会いしたい事なのです。
どうか、1日も・・・いえ、一刻も早く私と会う機会を作ってください。』
●丹下ジムに電話が鳴り響く。
河野は”先輩、白木さんからです。”とジョーに伝えるが、
ジョーは背を向けたまま”切れ!”と一言。
無心でサンドバッグを打ち続けるジョー。

ハーモニーショット

★段平は新聞(スポーツ日刊)を読み、
ロードワークから帰ってくるジョー達をジムで待つ。
”ホセ・メンドーサ伊豆のキャンプより東京入り”の文字。
ホセの白黒写真。T.Bハーモニー(1)
★段平の新聞
”白木ジムで本格的スパーリング開始”
パートナー相手にスパーリング中の写真。T.Bハーモニー(2)
★段平の新聞
”矢吹もハードスケジュールに挑む”
ファイティングポーズを取ったジョーの白黒写真。T.Bハーモニー(3)
★時刻はまだ薄暗い、朝6時半
段平は外に出て、自転車でジョー達を迎えに行く。
ジョー達に合流した段平は、
『よし!ジョー!全力ダッシュだっ!』とかけ声をかける!
『OK!』と叫び、ダッシュし、向かってくる段平とすれ違うジョー。
すれ違う二人。ハーモニー(4)
★朝食を食べるホセ。
ハンバーグにサラダ、オレンジジュース。
葉子を通じてインタビューを申し込んだ・・・と朝食中のホセに近づく須賀。
○無冠の帝王カーロスの挑戦を避けていた事
○カーロスに挑戦できたのはヤブキに壊されていたから
この2つについてコメントを貰うべく、”あなたにとって、
大変プライドを傷つけられた噂だと思うが・・・”と須賀はホセに質問。
”ノー・・・私は噂で傷つく様なプライドは持ち合わせていない”とコメントするホセ。
『OK・・・ミスターチャンピオン、試合を楽しみにしてます』と須賀。
ホセは”THANK YOU”とオレンジジュースを翳す。T.Uハーモニー(5)
★葉子が帰宅するのを見届けたジョーはトレーニングに励む。
ジョーはホセの記事の載った新聞を眺めていた。
”ホセ、絶好調!恐るべきパワー”と描かれホセ写真入り。
ジョーの頭なめ写真T.U ハーモニー(6)
★丹下ジムに電話が鳴り響く。
河野は”先輩、白木さんからです。”とジョーに伝えるが、
ジョーは背を向けたまま”切れ!”と一言。
無心でサンドバッグを打ち続けるジョー。
カット尻、サンドバッグを叩く画 T.Uハーモニー(7)

7枚 (合計337枚)

注目ポイント

★葉子、黒のロータス・ヨーロッパで登場。
生産時期1972~1975年。
4000×1635×1080mm
DOHC水冷直列4気筒/1558cc
最高速度198km/h

★遂に誤診を認めるキニスキー。
診断すべく、葉子は羽田までジョーを連れてくるが、
察したジョーはその場を去ってしまう。
羽田から台東区までタクシーで帰るジョー。
大田区の羽田から台東区まで約20km、
帰宅まで、高速を使い30~40分位でしょうか?

★雨の中ひたすらジョーを待つ葉子を見つめる子供達。
(サチ、キノコ、太郎。チュー吉)
”レディーはさ、あんまし腰を冷やしたりしたら、
美容に良くないんだって”と、持っていたカイロを差し出すサチ。
カイロは使い捨てタイプでなく、
アルミ状のものを袋にいれて身につけるタイプ。
袋から取り出し葉子に渡すサチ。(それでは熱いのでは?)
※原作では全く逆の態度をとるサチ。

★レントゲン写真の頭蓋骨は丁寧なブラシ処理。


所持セル画リンク→

スタッフ&キャスト

脚本:高屋敷英夫

絵コンテ:さきまくら

ディレクター:竹内啓雄・大賀俊二

原画:札木幾夫・本木久年・大橋学・平山智・大塚伸治
   小林慶輝・森本晃司・福島敦子・塚田信子・児玉兼嗣
動画:加藤涼子・高奥誠也・吉田悦子・佐々木章子・小沢尚子
   金子茂子
仕上げ:グループジョイ 岡田みどり・鈴木孝子・中野博美
    照井美子
撮影:高橋プロダクション 宮内征雄・大田勝美・平山昭夫
   安津畑隆・小林武男
   
制作進行:柳内一彦

声の出演:マイク・バーロー(キニスキー博士)、池田史比呂(カバレロ)、
       松田重治(河野)、井口成人(新聞記者)、千葉繁(神田)

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