あしたのジョーファンサイトSOUL OF JOE

★2002年5月25日発売(6月10日号)★ 2号より

鉄格子の中でイラ立つジョー<あしたのために その1>が届いたが!?
♯2
少年鑑別所送致

廃墟にたてこもるジョー&ガキ連達に近づこうとする段平。
警察に止められる段平。
塀の中へ入ると投石でやられる事を聞くが押し切り中へ入る段平。

投石にやられる段平。
ジョー、段平と気付き、ガキ連に投石中止を命じる。
頭に喰らった段平は血を流しながら立ち上がる。
『ふふふ・・・ジョーのバカ野郎め・・・
い・・・今そこへいくから待っておれ!』

ジョー、息を飲み段平が来るのを遮る為に石を振りかざす!
(ジョーから向かって左側のガラス窓が
ロングとアップ時では割れ方が違っている)

ジョー、血を流しながら近づく段平の迫力に押され石を投げられない・・・。
その様子を見ていた段平は勢いよく乗り込む!
※TV1アニメでは近づく段平に対し容赦ないジョーは石を投げつけ、
段平の頭に命中!この時点で頭から血を流す・・・。(荒木作画)

段平、ジョー&ガキ連がいる場所へ乗り込んでくる。
頭からは血をダラダラと流したまま。
ガキ連達はジョーの後ろの机に隠れる。
(太郎、チュー吉(ヒョロマツ)、サチ、トン吉、キノコ、チビ(ゴンベ))

段平、ジョーの殴りかかるが、ジョー左腕でカット!右のカウンターで
段平、ドアを突き抜け階段下まで吹っ飛ぶ!
(突き抜けるドアは弾力と勢いで軽くしなる!)
ジョー、段平が起きあがったのを確認して余裕笑い(少し段平を心配した?)

段平、階段を這い上がってくる・・・。
ジョーガキ連を部屋の隅っこへ避難させる。
ジョー上着をサチに預ける。

段平、自信満々でジョーに迫る!
『動きはすばやいし、パンチもある
・・・だがこの段平相手にどの程度通用するかな』
ジョーも余裕で台詞をはくが・・・。
『まあ、そんあ粋な台詞はく前に今度は階段から転げ落ちねぇよう・・・』

段平、素早い左ストレート!
『ほざくなっ!』
連打連打でジョー、ぶちのめされ机下まで吹っ飛ぶ!
(机後ろは窓(空いた)だったので一歩間違えると外へ放り出された!?)

ジョー、勢いをつけて飛び上がり、倒れている机の上へ立ち上がる!
(凄い跳躍です!)
『効いたぜよ、おっさん!さすがは元プロボクサーなだけの事はある・・・』
ジョーを絶賛するガキ連達!
(トン吉がレイアウトから外れる・・・)

『大変な人気だな!ジョー!』
『だがな、俺はこんなくれえでまいるもんじゃねえ・・・
第一、おっさんに教わった練習の成果をじっくりとお見せしねえとな!』
『おお見せてもらおう!まあつべこべ言ってる暇があったら・・・』
”かかってこいってか!”を発しながら右足で蹴りを出すジョー!
交わす段平!

ジョー、段平の首を絞めたまま転がる!
壁にぶつかり、パンチを繰り出そうとするが、段平に蹴りを入れられ、
吹っ飛ぶジョー。
直後に段平の連打の開始!

一方的にやられている段平を見て、太郎、皆にジョーを助ける指令を出す!
一斉に段平目掛けて石を投げるガキ連達!
(チュー吉(ヒョロマツ)は左利き?)
サチは段平の尻にかみつきズボンの一部を破き取る・・・。

ガキ連達に振り向く段平!
目には涙!!
その姿を見たガキ連は攻撃を止める!
『そうか・・・みんなそんなにこのジョーを助けたいか?』
『それならこいつを警察へ渡すのを手伝うんだな
・・・ジョーは今鑑別所へ送られるのが一番幸せなんだ!』
ジョー起きあがりボロボロになりながら反撃に・・・。
『けっ・・・笑わせるな!な・・・何をぬかしやがる!』
『誰が鑑別所になんぞに・・・』
『おらあ、死んでも・・・』
右ストレートを出すジョー!
交わす段平!左カウンターでジョーをノックアウト!
(カットつながり敵には段平は左を出しそうな構えだが右に!)
警官達突入済みで入り口で最後の死闘を目撃。
※TV1では段平に殴られたジョーは壁に顔をこすりつけながらダウンする。
(トレスマシンのタッチを最大限使った迫力の荒木作画)

パトカーに乗せられ連れて行かれるジョー。
(段平、4コマに渡り崩れ落ちる作画。
背景の斜線はもちろんフリーハンド!)
段平、雪の上で泣き崩れる!
『うおお~~~~~っ!
お・・・俺の・・・俺のたった一つの生き甲斐が連れて行かれちまったぁ!
ジョーの大バカやろう~~~~~!』
びっくりするガキ連の親たち。
ガキ連達もつられて大泣き!
『うわあ~~~っ! ああんああ~~ん! ジョーの兄貴よ~~~!』
(太郎とチュー吉(ヒョロマツ)の親ももらい泣き)
※TV1のアニメでは雪の降る中連れて行かれるジョーに段平が
上着を掛けるが、直前で落ちる・・・しかもその上着を段平は破いてしまう!

鑑別所へ面会に訪れる段平達。
肉親以外の面会はいっさいお断り!・・・と相手にされない段平達。
(受付の天井の溝一部に定規が使われている<部分使用)
段平はジョー達にぶつけられた石で頭を負傷。
バンソウコウを張っている。

受付では他の肉親と思われる人達が待っている。
壁には『不良化防止 青少年の不良化は親のあまやしから』や、
愛と表記され母親が子供を抱いているカットの入ったポスター等が
張られている。

段平、太郎、サチ、キノコ、チュー吉(ヒョロマツ)、
トン吉、チビ(ゴンベ)、追い出される・・・。
(ガキ連はまさにつまみ出され!)
石を投げようとするガキ連に段平、ストップをかける。
『やめろ、みんな! また日をあらためてくるべぇ!』

近くの川岸で落ち込む段平。
石コロを軽く川に投げ入れる・・・。(左手)
その姿を見ているガキ連。
(橋の上からみているチビ(ゴンベ)の体、描き忘れ!
橋の間から見えるはず・・・)

『よう・・・拳キチのおっさんすっかりまいっちまったぜ』
・・・とキノコ。
『血を売って毎日飲んだくれていたおっさんがよ、
ジョー兄いにボクシング教えることでやっと
生き甲斐を感じ始めたのにそれもつかの間・・・鑑別所入りに
なっちまったんだから無理もねえ話さ』
・・・と太郎。

段平、ガキ連を呼び、ジョーの為に作った差し入れをみんなにあげる・・・。
(左頭のバンソウコウ消える・・・)
みんな喜び食べる!
(チビ(ゴンベ)が作るときに手洗ったんだろうね?・・とするどい指摘)

『俺の夢が・・・俺の最後の夢が・・・
あの鉄格子の中に閉じこめられちまった』
『だがよジョー、俺はあきらめないぜ・・・この段下段平の執念にはあんな
鉄格子くらい屁でもねえってところを見せてやる』
『なあL・・・今に丹下段平一世一代の執念の恐ろしさを見せてやるぜ!』
・・・と段平。
『ようよう・・・拳キチ、薄っ気味悪い事言ってるぜ・・・まさか、
ジョー兄ぃを脱獄させとうってんじゃないだろうね・・・』
・・・とガキ連達。

雨の降る中・・・。
鑑別所独房のベッドに体育座りのまま寝入るジョー。
ジョー宛に葉書が来る・・・。
『矢吹ジョー葉書だ!』
この一言で起き、反応するジョー。
(スリッパの向きが変わっている・・・)

送り主が段平だと気づいたジョーは内容を見ずに葉書を破り捨てる!
『葉書だと・・・この俺に便りをくれるなんていったい・・・』
『丹下段平・・・』
『くそう・・・だ・・・誰があんな野郎の葉書なんか・・・』

段平にメタメタにされた事を思い出し、腹が立ったジョーは
外へ出ようとしてドアを叩き、暴れる・・・。
『いつまでこんなせまい所に閉じこめておくつもりなんだ!!』
最後はドアに体当たり!
※TV1アニメでは画面上下反転の効果でぶつかる作画描写!(杉野作画)

『退屈だ・・・退屈で死にそうだあ・・・』
ふと、バラバラに切り刻んだ葉書の文字に目が行き、
パズル合わせを楽しむ・・・。
(スポットライトを浴びた様な表現が面白い!)

あしたのために(その1)
=ジャブ=
攻撃の突破口を開くため
あるいは 敵の出足を
止めるため
左パンチを
こきざみに打つこと

この際 ひじを
左脇の下から
離さぬ心構えで
やや内角をねらい
えぐり込むように打つべし

正確なジャブ三発に続く
右パンチは その威力を
三倍に増すものなり

ジョー、内容にあきれひっくり返って大笑い!
『くくく・・・っ。この俺に通信教育をしようってわけだ。
拳キチもここまでくるとお笑いだね!』

しかし、バカにしながらも実践してみるジョー。
『いま、パンチが風を切る音が聞こえたような気がしたが・・・』
『今までそんなことってなかった・・・どんなに思いっきり
ぶんまわしても今みたいな感じはなかった・・・。』
更に試みるジョー。

雨に降る中、段平はジョーを鑑別所塀越しに見守る・・・。
『ふふふ・・・やってるかいジョー・・・強くなるんだぜ・・・
今におめえは日本一・・・いや世界一強いボクサーになるんだ!』

夢中になってジャブを打ち込むジョー。
暑くなり、上着を脱ぎ捨てるジョー。
『俺は生まれてこのかた学校ってものにぜんぜん通った事が無かった。』
『だから人にものを教わって今まで出来なかった事が
出来るようになるなんて経験は初めてさ。ま・・・悪い気分じゃねぇな』

しかし、ハッとなるジョー。
(カメラ鉄格子なめ、外からの描写。鉄格子部分は定規作画)
『ち・・・ちくしょう・・・何のこたねぇ・・・いつの間にか・・・
いつの間にかあの拳キチの思うつぼにすっぽりはまっていやがった・・・』
急に腹立たしくなり暴れるジョー。
(床にあったスリッパ途中から消える・・・)

暴れ疲れて寝入ったジョーを起こしにくる監視官。
心理学者の先生のテストを受けるため連れて行かれるジョー。
上着無しで行こうとして怒られるジョー。

先生のいる場所までの廊下には幾重もの鉄格子があり、
その度に鍵を開け閉めしなければならない・・・。
『どうでもいいけどさ・・・面倒くさいことやってるねぇ・・・』
・・・と鍵を丁寧に開け閉めしている監視に、ジョー一言。

心理学者のいる部屋に着くジョー。
『矢吹くん、これから私はいくつかの単語を言う。
そうしたら君は即座にその単語から思いつくこと、
つまり連想したことを答えるのです。わかったね。』
・・・不真面目な返事で心理学者を怒らすジョー。

第一の質問。
赤。
『血・・・真っ赤な血!ぼたぼたしたたる血を連想するね!』
第2の質問。
花。
『これまた血だね!こうやって真っ直ぐに伸びたジャブが
顔面に炸裂してさ・・・花から吹き出す鼻血を連想するよ!』
実際に心理学者の顔面にジャブを打つマネをし、答えるジョー。
『そ・・・そのはなじゃない!野に咲く美しい花だっ!』
・・・と怒りながら答える心理学者。
第3の質問。
両親。
少しハッとなり、少々沈黙後、にやけながら答えるジョー。
『では・・・植木等といこうか』
驚く心理学者。
『俺は植木等のファンでね!特にあの無責任とかいう歌が大好きなんだ!
両親イコール無責任ってのは・・・な、いい答えじゃないか!
それとも”愛”とでも答えたらお気に召したかね!?』
イライラする心理学者。
第4の質問。
愛。
『居眠りってとこかな?』
訳が分からなくて???な心理学者。
『孤児院でよ、おまえを愛するが故にとか
何とかだらだらお説教が始まるとさ決まって俺はしていたもんさ
あははは・・・。』
第5の質問
親切
『え~と・・・拳キチ・・・いや、酔っぱらいとでも
言っておこうか』
『・・・・・』
無言な心理学者。
『そういうやつがいるのさ。てめえの夢とやらに勝手に酔っぱらって、
やたら親切を押し売りする変人がね』
『・・・もういい。もう連れて行って下さい。』
・・・呆れてもう聞くのを辞めて、ジョーの台詞を制して、
監視員にジョーを連れて行ってもらう心理学者。

『矢吹丈・・・この少年の性格は残忍で非情で利己的で・・・
まるで乾ききった砂漠だ!草木一本生えてないっ!』
最後の台詞と同時にハンコを叩きつけるように押す心理学者。
※TVアニメ1では富岡と言う名前で紹介されている心理学者。
キャラの風貌も大分違った感じで最後の”草木一本生えてないっ!”は
”草木一本生えとらんっ!”・・・と微妙に違った言い方もしている。
TVでの背景にはエジプトの写真が壁にかけてあったのが印象的。

心理学テスト終了後のジョーは大部屋に移され裁判の日を待つことに。
監視員が仲間が大勢いる事をジョーに告げると、ジョーは大喜び!
監視員の手を取り、踊りまくる・・・。

仲間のいる部屋に連れて行く監視員。
『さあ、ここだ入って!』
『うひょー・・・いるいる!似たようなのがゴロゴロしてるじゃねえか!
うれしいねぇ!』
『ジョーってよんでくれ!よろしくな!』
監視員戻る。

笑いながらゆっくり立ち上がり出す鑑別所収容生・・・。
ジョーに近づく・・・。
『なにがおかしいんだ。え?』
(1ページまるまる使って部屋の全景を俯瞰で捕らえる)

収容生の一人がボスに話しかける。
『どうします?西さん・・・?』
4枚重ねの布団で爪を切っているボス、西がゆっくり振り返る。
『ふ・・・新参やな。かわいい顔をしとるやないか。』
『まあ例によって例のごとくや・・・たっぷりかわいがってやりい』
(この台詞でくわえていたツマヨウジを取る。
切っていた爪に息を吹きかける為?)

迫る収容生達・・・。
何かやろうとしている事を悟るジョー。
見張りを命じるボス、西。
(見張りは最初に西へ指示を仰いだ頬に傷のある坊主頭の男)

小僧っ子一人に総出で挨拶もいらん・・・と、5人を呼び、
肩もみをさせるボス、西。
この光景を見て、西がボスだと悟るジョー。

見張りの頬に傷のある坊主頭の男、外の異常無しを伝達。
ネジリンボウをかませる事を提案するジョーに髪型が似ている収容生。
西、ネジリンボウを承諾!

『ネジリン・・・?』
不思議に思っているジョーに襲いかかる5人の収容生達!
『く・・・くそう!卑怯だぞ!放せーっ!』
バケツの中から雑巾を取り出し、絞る髪型がジョーな収容生。
『な・・・なにをする気だ!』
『ふふふ・・・これがネジリンボウよ!』
一気にジョーの口の中へ絞った雑巾(ネジリンボウ)を突っ込む!
『さてと・・・声が出なくなった所でご本人もネジリンボウにしてやるか!』
更に2名追加して、7名でジョーをねじる収容生達。
『ひひひ!そうれまだまだねじれるぞ!どうしたい!もっと力を込めて!』
指揮するジョーな髪型の収容生。
(サブリーダー!?)

『お・・・あ・・・う!』
苦しみの声を上げるジョー。
西を含め肩を揉んでいた6名(後から1名追加?)も息を飲み、
一瞬ジョーの方向を見る・・・。

肩もみの手が止まったので再開の指示をする西。
『ようようネジリンボウはもうええやろ!
次はパラシュート部隊でもやってんか!』
西の命令でねじるのを止めさせるサブリーダー?の
ジョーな髪型の収容生。(ゲリラにも似ている)

パラシュート部隊の始まり!
ベッドの4段目から次々にジョー目掛けて飛び降りる!
1人目は後ろの奴に押され失敗・・・。
2人目はお手本とばかりに飛び降りる!
『パラシュート部隊ってのはだな・・・こういう風にやるんだ!
キャッホー!ウララララ~ッ!』
ジョーの腹に見事着地!
サブリーダーどんどん続けて飛ぶ指令を出す!
次々に飛び降り、ジョー気絶する・・・。

監視を任された収容生が給食係りが来た事を皆に告げる。
西は肩もみしていた連中をどき払う!
サブリーダー、自らジョーの口のネジリンボウを抜き、
そのままそのネジリンボウ(雑巾)で顔の血を拭き、
お手本で飛んだ収容生と一緒にジョーを引きずり、
壁(角)にもたれさせる・・・。
すばやく何も無かったかの様に散る収容生達・・・。

給食係りの監視員がやって来る。
ドアが開く。
監視員は仕度までして去っていく。
『ほら、仕度は出来たぞ・・・仲良く食べるんだ。
当番は食べた後の食器をかたしておく様に』

給食に飛びかかる収容生達。
がっつく中、ジョーは給食のいい匂いに気付き、
起きあがる。
『いい匂いだ・・・へへ・・・めし・・・
お・・・おれにも食わせろ・・・さあ・・・』
ぞ~~~っとなる収容生達・・・。
『こやつ・・・不死身か・・・?』
・・・ボス西もびっくり。

メシに飛びつこうとした際にサブリーダーが
すかさずジョーの分をハシゴ渡しでボス西へ!
(この際に豚汁をこぼす)
ジョー、他の人間のメシに手をつけようとするが
これもダメ・・・。
『ふふふ・・・ジョーとかいうの・・・おめえのタフさ加減には
いささか度肝を抜かれたが・・・心臓の方も見かけ以上に
タフらしいな』
・・・とサブリーダー。
『おめえ初めてこの部屋にごやっかいになるんだろう?
最初のメシくらいは挨拶代わりにボスに差し上げる位の
礼儀をわきまえたらどうだい?』

『わかったよ・・・もうたのまねぇ
こうなったら自分の力で何とかするさ』
『おっと、今更食べてくれなんて頭下げるなよ!もう遅いぜ!』
ゆっくりと上着を脱ぎながら収容生達に向かって喋るジョー。
(見開きでジョーなめ、奥に座るボス西を捉え、目の表情をどアップで描写。
背景を飛ばした効果もいい感じ)

『おらあもう完全に頭にきちまっているんだ!
誰がどうなだめすかしたっておさまりがつくもんじゃねぇ・・・
いきつく所までいくだけだ!』
上着を床にパサッと落とすジョー。
『ええ度胸やのう、こまいの・・・けなげで・・・
精一杯背伸びしていっぱしの台詞を並べてよ』
ジョーの余裕ある姿勢をみて怒りが更に込み上がるボス西
『何もそっとつっ立っとるんや!はよ相手してやらんか!』
思いっきり机を叩き指示するボス西。

収容生達一斉にジョーに飛びかかる!
まずはサブリーダーが襲いかかるが、軽く避けられ、
キック&左ストレートであえなくダウン!
次々襲いかかるがジョーの相手にはならない。
ボス西は冷静を装い、メシを食べ続ける・・・。

乱闘騒ぎが酷いためボス西はメシが食べられず、
騒ぎが済んだ際にゆっくりと振り向くがすでに全滅!
(BG鉄格子一部定規作画)
『メシは済んだかい?ほなら早いこと頼むぜ!』
『ふふふ・・・思ったよりやるやなか?ええ?見直したでぇ』
一瞬怒りがこみ上げるが冷静を装い話しかけるボス西。

『まあそう無理に落ち着いた格好なんぞしてないでさっさと
かかってきたらどうなんだ!今がチャンスだぜ!』
余裕のジョー。
表情に怒りが再度こみ上げてくるボス西。
(TVアニメ1では更に浪速カバと言い、西を煽る!)

『かわいそうに・・・おまえって男はほどほどを知らんらしい・・・
しゃべり過ぎたなあんさん・・・それに何ともやりすぎたわい・・・

襲いかかるボス西!
左を構え、ググッと緊張するジョー。
しかし、ボス西の攻撃を軽く交わし、左ストレート!
まともにヒットし、吹っ飛ぶボス西!

自信をつけたジョーにもう緊張や不安無し!
ボス西の右ストレートを軽く交わし、強烈なボディブローを一発!
立て続けに顔面へ連打!
更に左足を掴み上げ、思いっきり振り下ろす!

倒れて動かなくなってしまったボス西・・・。
ジョー蹴り上げ、目を覚ますボス西。
『おらあ、ボスとやりあうのだけを楽しみにしていたんだぜ!
それをそうあっさりおねんねされたんじゃ張り合いが
ないってもんじゃないか!ええ?』

『こんなすばしっこい野郎を相手にしたのは、
は・・・初めてや・・・』
・・・とボス西。
ジョー、段平オヤジの通信教育を実践で試すチャンスを狙う!
襲いかかるボス西!
『ひじを左脇から離さない心構えで・・・やや内角を狙い・・・』
西の左ストレートを軽く交わすジョー。
『えぐり込むようにして・・・打つべし!』
西まともに喰らい、顔面血みどろ・・・。

たまらず近くにあったイスを振りかざしジョー目掛けて
振り下ろすボス西。
しかしまた軽く交わすジョー。ジャブの連打!
(TV1では”荒木伸吾氏”の大迫力作画!)

騒ぎに気付いた監視員達が慌てて駆けつける・・・。
『おおっ・・・これは一体どうした事だ!
何をしとるか矢吹!』
動きが止まっているボス西。
『これでこの部屋のボスだとさ!笑わせるじゃねえか!
こんなでけえ体して俺に指一本ふれることも出来なかったんだぜ!』
監視員達に説明するジョー。
同時に崩れ落ちるボス西・・・。
『恐ろしいやつだ・・・独房へ連れて行け・・・』
取り押さえられ、連行されるジョー。
『なにすんだよう!放せ!俺はリンチを食ったお返しをしただけだぞ!
正当防衛だぞ!』
・・・暴れるジョー。

それから何日かして
春雨けむる
ここ東京家庭裁判所において
監察期間を終えた
ジョーに
判決の下る日が来た・・・。

ジョーを心配し、特別に入場を許してもらった段平&ガキ連達。
(段平、キノコ、サチ、チビ、チュー吉、太郎、トン吉)
キノコがまた一月も二月も牢屋に入れられるの?・・・と、
質問すると、近くにいた白木葉子が答える。
『一月や二月ですむわけがないでしょう。
最低でも一年一ヶ月は間違いないわ』

白木葉子初登場!
段平を含み皆、葉子を見上げる。
『おそらく彼・・・特等少年院ゆきでしょうからね』
(廊下床のパース線の溝が定規作画
しかしこの溝は前カットには無かった・・・)

裁判は始まる為、傍聴人の入場を命じられる。
傍聴席に向かう段平&ガキ連達。
ジョーを見つけ興奮する一行。

『これから矢吹丈に対する判決文を読み上げる!』
おもむろにドアを開け、葉子も入ってくる。
ジョー見上げて葉子を確認。
初めて見るその顔にちょっとびっくり!
ゆっくり階段を降りてくる葉子
(階段手すりに定規作画)
段平達の席(一番前)の5段上に座る。
(席は13段ある)

葉子を見てよそ見をしていたジョーに正面をむく様、指令。
(裁判官は幹之助激似!)
『あーでは・・・これより少年矢吹丈に関する罪状並びに
判決文を読み上げる!』

矢吹丈は・・・
物心ついた時にはすでに両親とも行方不明であり、
その点においていささか同情すべきではあるが・・・
しかし保護された養護施設には一向に落ち着こうとはせず、
脱走に次ぐ脱走を重ね、果てはドヤ街に流れ込み・・・
そのドヤ街に住む子供達をそそのかして彼らを部下となし、
付近を巡回する警官らの再三の注意にもかかわらず、
暴力、窃盗、詐欺、恐喝等、少年にあるまじき
悪事を重ねていった。
またドヤ街の住人である丹下段平氏はボクシングの指導を通じて
何とか矢吹の厚生を図ろうと務めたが・・・
その丹下氏の温情をも裏切り・・・
(段平達手前部分定規作画あり)

・・・突然笑い出すジョー!
(TV1では”あおい輝彦氏”大熱演!大笑い!)
『わーはっはっは・・・こいつあお笑いだ!丹下氏の温情だと?』
段平&ガキ連びっくり・・・。
裁判官達に注意を受けるジョー。
『このおっさんはな、更正だとか何だとかそんな洒落た事を
考えるようなオヤジじゃねえよ!
まあごく簡単に言うとな、サルまわしがサルに芸を仕込む様なつもりで
俺にボクシングを教えようとしたんだ!』
傍聴席にいる段平を指さし、叫ぶジョー!
『つまりだよ、向こうっ気が強くてちょっとばかり
腕が立つ俺が素質ありと見たててボクシングを仕込み、
上手くいきゃあ銭の取れるボクサーに仕立てて一儲けしようってのが
目的なんだ!』
『なあ、そうだろう!拳キチのおっさんよ!』
・・・ジョー、段平に向かって叫ぶ!
『ふふふ・・・そうさ・・・違えねぇ。
おめえはサルでこの俺はサルまわしだ・・・』
段平の言葉に、”吐いたな”・・・とニヤけるジョー。
冷静に見つめる葉子・・・。

『おめえの言うとおり俺はおめえに立派な芸を仕込んで
しこたま金を稼ぎまくろうってわけさ。
・・・そういやあ気がすむかい?』
『だがちょっと断っておくが、
わしの目的は金が全てじゃねえってことさ。
わしぁ拳闘が好きなんだ!
そして・・・くやしい事におめえのその二本の腕に
惚れ込んじまったんだ!
だからおめえを日本一の・・・いやいや世界一のボクサーに
仕立てるために命を懸けようとさえしているんだ!
そこまでわかるかい!わしのこの気持ちを!』
段平、熱くジョーに語りかける!
『へ・・・自分がチャンピオンになり損こなったもんだから、
この俺に夢を託そうって訳だな!
つまりこの俺を拳キチの夢を背負った生き人形にしようってんだ!
冗談じゃないぜ!おらぁ、まっぴら・・・』
裁判官の”静粛に!”が入る!
勝手な私語は許さん!と一喝!

『では・・・判決文を読み上げる!』
・・・と裁判官。
『とにかく新聞記者に偽りの美談を述べ天下の公器である、
新聞を通じて世間の善意の寄付金を詐取したのみか、
警察官への暴力・・・更に鑑別所内での乱闘事件等々・・・
いささかの良心も反省の色も見ることが出来ない・・・
よって、矢吹丈を・・・・』
ジョー、少し緊張・・・。
『最低一年一ヶ月の期間・・・東光特等少年院に送致するっ!』
目を伏せるジョー・・・。
(目を伏せたアップの顔全面に暗めのトーン、
ジョーの気持ちが現れた演出・・・出崎監督なら色パラ!)

乗り上げる段平&ガキ連達。
冷静な葉子・・・。

裁判が終わり、連行されるジョー。
長い廊下、壁に葉子が立っている。
『あの・・・ヘンにとりすまして女は何物だい?』
『なんだ知らなかったのか?あの人はお前の犯行の被害者だよ』
『被害者?』
『新聞での寄付金詐欺をやったとき、十万円もの大金を
寄付した人がいただろう・・・それがあの人なんだ』
『あんな純真なお嬢さんをペテンにかけるなんて、
お前も随分とあくどい男だぞ!多いに反省せい!』
グィとどつかれて、余計腹が立ってくるジョー。
『へへへっ!ようようお嬢様!こんな俺の姿を見て少しは
腹の虫がおさまったかい!?』
ジョー、葉子に八つ当たり。
『十万円もの大金をポンと投げ出すなんざ
よっぽどの上流家庭のお嬢さんなんだろうが!
・・・その十万円で”ああ、あたしは何てあわれみ深いんだろう”
なんて自己満足を買えるんだから安いもんさ!
おまけにその金で取っ捕まえるやつの醜態を
こう目の当たりに見られるんだ結構じゃないか!』
暴れるジョーを抑え付ける警備員達。
冷たく無表情で見ている葉子・・・。

ジョーの様子をみて、怯えてしまっているガキ連達・・・。
『拳闘を忘れるんじゃねえぞ!
たとえ今日の日はどんなにみじめでも拳闘を忘れねえ限り、
あしたって日が開けるんだっ!』
・・・と段平。

雨が降る中護送車へ運ばれるジョー。
『いい加減にしやがれ!俺は一年以上もシャバとお別れなんだぞ!』
大声でわめきながら護送車に入るジョー。
護送車を無表情でそっと見送る葉子。
行ってしまったジョーを涙で見送るガキ連達・・・。
護送車の中で泣いているジョー・・・。

護送車信号で泊まる。
(東京タワーが見えるので港区六本木付近・・・)
学生がぞろぞろと通る・・・。
道にはまだ雨が残っているが、降ってないので学生達は手に傘を所持。
護送車を見つけた学生達は護送車に”東光特等少年院”の文字を発見。
『泣く子もだまる少年院か・・・この中に手のつけられない不良どもが
乗っかっているんだぜ!
やい悪党!牢屋へ放り込まれてうんと臭いメシ食ってこい!』
調子に乗った学生の一人が護送車を蹴る!
怒られて逃げる学生達・・・。

雨上がりの道、雨水をはじきながら走る護送車。
うつぶせで泣いたままだったジョー、人の気配を感じて起きあがる。
『誰だ!・・・誰だいそこにいるのは・・・』
(護送車の中の暗闇の表現の縦線は定規作画)
『に・・・西じゃないか!』
『うふふ・・・こんな・・・こんな薄汚ねえ車の中で
またお会い出来るとは思わなんだぜ』
西は寂しく、ジョーが来るのを待っていた・・・。
心細く怖い・・・とジョーに告白する西・・・。
『怖い?・・・何が?』
『何がって・・・こ・・・これから送り込まれる
東光特等少年院での生活や!』
ジョー、小馬鹿にして笑う・・・。
『特等だか特急だか知らねえがたかが
不良少年の吹きだまりじゃねえか!』
(この言い回しはTVジョー2で虎だかタイガーだか・・・や、
ハリマオだか張り子の虎だか知らねえが等の言い回しに似ている
ジョーが虚勢を張るときに使う特有の言い回し!?)
『すっかり見損なったぜ!西!
そんな臆病者と知っていたら鑑別所であんなに
いじめるんじゃなかったよ! はははは・・・!』
『お前は幸せものやで・・・少なくてもこの護送車が
向こうへ着くまではな・・・』
馬鹿にし、寝入るジョー・・・。

夜も更け、護送車が目的地に近づく・・・。
『見えた!と・・・東光特等少年院や・・・』
(護送車窓越しの鉄格子は定規作画)
西、ジョーを起こすが、くだらねえ事で起こすな!
・・・とご機嫌斜めのジョー。
西、脱走の相談をジョーにする・・・。
『あの東光特等少年院に入ったが最後とうてい生きては
出られるような気がせんのや・・・なんとか逃げ出さんと・・・』
・・・と西。
『おれは・・・生まれてこのかた何一つ人並みに与えられたものは
なかった・・・オモチャも本も・・・新しい服も暖かい布団も・・・
いや、優しい親の愛すら与えられずに育ってきたんだ!
だが・・・自由だけはこの俺の腕力でなんとかもぎ取って生きてきた。
その・・・たった一つの自由すら奪われてしまったら俺には
何が残るっていうんだい!』
・・・とジョー。
『燃えてきたぜ!西!』
西をはねのけ鉄格子越しから東光特等少年院を見入るジョー。
(鉄格子は定規作画)
『こ・・・これが東光特等少年院か・・・なんて不気味な
姿をしているんだっ!』
流石に恐怖感を感じるジョー・・・。

護送車入り口で止まる。
重々しい石造りの高い塀の門が開く・・・。
『あ・・・あかんわい・・・これじゃまるで戦国時代のお城や!
こない厳重だと思わないんだ・・・』
うずくまり頭を抱える西・・・。
『だが俺はあきらめないぜ!
自由になる為なら地獄の底からだろうと何だってはい出してみせる!』
・・・とやる気満々のジョー!

何百人もの収容生がいるはずなのに異様に不気味な静けさ・・・。
『きた・・・』
『ひひ・・・』
『来たぞ・・・新しいのが・・・』
『きたきた・・・』
各部屋の鉄格子窓から幽霊の如く不気味に除いて護送車を見入る
東光特等少年院収容生達・・・。

(3号へ続く・・・。)

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