『そして、帰ってきた・・・』
ストーリー
東京、秋。
力石が死んだのは冬だった・・・。
後楽園ホールでは力石追悼のテンカウントゴングが鳴り響く。
ジョーは力石戦後、半年もの間彷徨っていた。
街中でヤクザの用心棒になったウルフ金串を目撃する。
ウルフはヤクザとの乱闘後、過去の栄光を喫茶店で振り返る。
そこへ、先程ウルフに乱闘で倒されたチンピラ達が、
用心棒”ゴロマキ権藤”を連れて再び現れる。
最後まで余裕を見せるゴロマキが一瞬の隙を見て、
ウルフに反撃そして、猛攻!(ウルフは顎を再び割られる)
同じ場にいて、見かねたジョーはウルフの助けに入る。
ジョーの目を見て、本物だと悟ったゴロマキはジョーとの対戦を拒否。
しかし、ウルフを侮辱するゴロマキに対し、ジョーは怒りの一撃。
通報されるが、警官から上手く逃れる二人。
その後ゴロマキと別れたジョーは丹下ジムへ向い、段平や西と再会へ!
マニアック視点
●冒頭で現れるビル
恐らくサンシャイン60だと思われます。
(原作では舞台設定が池袋)
東京、秋・・・これは放送時期に合わせた表現でしょうか?
「力石徹が死んだのは冬だった」テロップ表記。
●リングには白い花。
テンカウントゴングが響く・・・。
後楽園ホールに葉子と幹之助の姿。
葉子「何をしていらっしゃるの? おじい様?」
幹之介「いや、ひょっとして彼が来ているのではないかと思ってな・・・」
テンカウントゴングが鳴り出す・・・。
葉子「彼、来ているはずがないわ・・・」
●ジョーが歩道橋の上でパンを食べる。
(食べているのは小倉パンです)
袋をふくらませて割った際にモブキャラが個別に反応!
(実に細かい演技をします)
おじさんは本を読んで歩いていた所、びっくりして立ち止まる。
親子が振り返るカットもあり。
・・・タイトルへ。
●力石の回想シーン
(BGM:野獣死すべし使用曲by鈴木清司氏)
R8でジョーが力石にKOされる回想シーン。
力石「終わったな・・・何もかも…。」
レフェリー「・・・セブン、エイト、ナイン、テン」
段平「待てジョー、立つんじゃねー、じっと寝てるんだ!」
葉子「やったわね。力石君」
幹之介「ついに宿願を果たしたな。」
ジョー「へへへっ、まいったぜ力石。
あそこでとどめのアッパーでくるとはな・・・さすがは力石・・・まいったぜ。」
「苛酷な減量、第6ラウンド、矢吹がはなったテンプルへの一撃、
およびダウンした際にロープで後頭部を強打したことによる脳内出血で、
力石選手が死にいたったと診断されます。」
●サチ(達)が泪橋の丹下ジムに来る
サチ、サンドラバッグ(サチ語)を蹴る。
蹴った次のカットのサンドラバッグは背景処理をされているので、
動かなかった・・・。
(本来つなぎカットなのでセルにして少し揺らして欲しかったです)
●ヤクザ映画看板前
大スペクタクルー大爆発と書かれた看板がアップ。
カット変わり、タイトルが大爆発から大暴走へ変更!?
(隣の看板は地震の島)
ヤクザのケンカ。
ヤクザの用心棒にウルフ金串登場。
●ANGELAでのシーン
coffee ANGELA
AM11:00~PM11:00営業
コーヒー/350円
ビール/400円
水割り/500円
他
(原作では店の名前が純喫茶ゼブラ)
店内の曲は「ジョニー・ウインター」の
「ボニー・モロニー」という曲です。
(ジョニー・ウインターの’76年のライブ盤に収録)
●変動するビール!
ヤクザのあんちゃんが頼んだビールの数は”5、6本”と告知。
店員(女性)が持ってきたビールは3本。
結局いらないと追い返すが、次のシーンではビールを結局飲んでいる。
(また持ってこさせたのでしょうか?)
このときは4本のビール瓶がおかれている。
見事、縄張り争いに勝利したウルフチームの会談。
「1cmだぜ、1cm。もう1cm踏み込んでいりゃぁ・・・。」
過去を振り返るウルフ金串。
●ゴロマキ登場
ゴロマキ登場の際テーブルの上の瓶は3本に・・・。
(ウルフの頭をかち割ったのもこのビール(アサヒ)だと思われます)
ウルフ、見事な先制攻撃に見えたが、ゴロマキに完敗・・・。
●ジョー、たまらず割って入る。
「待ちなよ、殺す気かよ。ゴロマキとかいうの。」
「いい加減にしねぇかい。相手はとっくにくたばっちまってんだ!」
ゴロマキ、ジョーだと気づき、ヤクザ達を制する。
※このボーヤ強えぜ・・・での、ゴロマキの顔は作画修正(杉野氏)が入ってない。
ゴロマキとタバコの関係が格好いい。
(赤いラークを吸うゴロマキ)
※ウルフにどんなにやられていてもタバコは絶対にくわえているの対し、。
ジョーにやられた際、タバコはすぐに吐き出される!
(タバコでゴロマキの心の余裕を表現)
ゴロマキはジョーに対し、
ゴロマキ「おおっと!はやまらないでくんねぇ!あんたとはゴロはまかねぇ!
あんたには勝てねぇ。あれは勝ち目のないゴロはまかねぇ主義なんだ。」
ジョー「何?じゃあウルフには勝ち目があると踏んだっていうのか。
おれもウルフも同じ元ボクサーだぜ。」
ゴロマキ「へへへ、まあね。同じ元ボクサーでもいろいろあらぁね。
ただ、ヤツの目は腐ってやがった。あの目を見て、ヤツには負けねぇって思ったね。」
ジョー「気にいらねぇな。
はっきり勝てるとわかった相手を、なぜあれほどまでに叩きのめす必要がある。」
ゴロマキ「嫌いでね、ああ言うタイプ。
たった1度負けて、けつまづいて、それっきりっての。」
ジョー「気にいらねぇな!」
ゴロマキに突進してくるジョー。
強烈なボディ攻撃に沈み込むゴロマキ・・・。
ジョー「さあ、、もう一言でもウルフのことを言ってみろ!まちないなくぶっ殺してやるからな!」
床にひれ伏し、もがき苦しむゴロマキ・・・。
ゴロマキ権藤「へへへ、ハハハ、てぇしたもんだ。ボクサーのパンチたぁこうじゃなくちゃあな!」
ゴロマキ、完敗宣言。
騒ぎになったので警察が駆け付ける。
裏口から逃げ出すジョーとゴロマキ。
ゴロマキは”あんたの試合、また、出来たら見たいと思ってます”と言い残し、去る。
●ハイヤーの中から泪橋に向かうジョーを目撃する葉子。
しかし・・・。
葉子「見たんです。今。彼を。」
幹之介「彼?あの矢吹君か?」
葉子「ええ、そう、矢吹くんが走っていました。
力石くんが死んだとき、地面に泣き伏して、そしてそのまま消えてしまったはずの彼が。
信じられないけど、跳ぶように、軽やかに。」
幹之介「人違いではないのかね?また。」
葉子「また?」
●丹下ジム朝
ロードワークの時間は朝6時30分に目覚ましセット。
西がハシゴから落ちる・・・。
以下の台詞は笑えます(^^)
「ドジ!アホ!ハシゴはゆっくり降りましょっ・・・と、何度言われりゃ気がすむんじゃっ!」
西「お・・・おっちゃん・・・あ、あれ見てんか?」
段平も同様にハシゴから転落。
ジョー「よう!元気だったか、西、おっつぁんよ!」
段平「ジョー!」
喜びを身体全体で表し、ジョーに駆け寄る段平・・・。
ハーモニーショット
★ハーモニー1
回想シーン
ジョーと握手の際に倒れた力石ハーモニー
本作、記念すべき第一号ハーモニー
★ハーモニー2
帰ってきたジョーに駆け寄る段平
ジョーへPANしながらT.U
★ ハーモニー3
ラストカットのジョーアップハーモニー
3枚
注目ポイント
★作画のクオリティが全47話中で一番高いです!!
作画枚数も47話中で一番多いと思われます!!
TVシリーズのモブシーン作画としては異例な位のこだわりを感じます。
あの線の多いキャラをよくぞあそこまで・・・と、感心してしまいます。
★力石戦回想で流れるME(ミュージックエフェクト)は
松田優作主演の”野獣死すべし(1980年)”で多用された曲です。
この作品で音楽監督だった鈴木清司氏はTVジョー2では選曲を担当。
他にも14話の紀ちゃんとのデートシーン(ディスコ)で、
”ディスコトレイン”を同様に使用してます。
★ANGELAでのシーンで流れる音楽について
(原作では店の名前が純喫茶ゼブラ)
店内の曲は「ジョニー・ウインター」の
「ボニー・モロニー」という曲です。
(ジョニー・ウインターの’76年のライブ盤に収録)
★ ゴロマキとタバコの関係が格好いいです。
(赤いラークを吸うゴロマキ)
※ウルフにどんなにやられていてもタバコは絶対にくわえているの対し、。
ジョーにやられた際、タバコはすぐに吐き出される!
(タバコでゴロマキの心の余裕を表現)
★1話で動画参加の森本晃司(奥様は福島敦子氏)氏。
後、12話より原画へ昇格!(本作より原画デビュー!)
トリッキーな特徴のある動きをさせるアニメーター。
主にアクションシーンを多く担当。
他の作品にロボットカーニバル作画監督、AKIRA作画監督補、
GLAYのOVAアニメ作画(サヴァイバル)、ANIMATRIX等。
★ゴロマキ権藤役の渡部猛氏はタイピング泪橋、ニッセイCM、ラ王CMの
”丹下段平”役もこなしています。(第二の段平)
他にも特撮ヒーロー系の悪役の声優としても多数出演。
所持セル画リンク→
スタッフ&キャスト
脚本:篠崎好
絵コンテ:さきまくら
ディレクター:竹内啓雄・大賀俊二・西久保瑞穂
原画:遠藤祐一・中村誠・杉野佐秩子・福島敦子
塚田信子・青山純子
動画:森本晃司・村上君子・遠藤亜弓・遠藤祐己
金子佐知子・伊藤幸子
仕上げ:シャフト 三橋曜子・森祐子・菅野友子・村井勇
背景:小林プロダクション 工藤美由紀・小倉宏昌・海保仁三郎
林裕美子・山本恵子・柴田千佳子
制作進行:横溝隆久
声の出演:徳丸完(やくざAの1)、沢りつお(やくざBの1)、
広瀬正志(街の人)、森正樹、上山則子(喫茶店店員)、
加藤正之(医者)、井口成人(レフェリー)