『男一匹花一輪・・・リングに賭けた』
ストーリー
ジョーが帰ってきた!
子供達との再会も終えたジョーは
”挨拶回り”と題し、力石の墓へ向かう・・・。
ミネラルウォーターを墓に添えたジョーは
力石にその場で”ふっ切った”事を告げる。
(葉子ともここで再会。)
ジムに戻ってきたジョーは
段平と西の前で再びリングに上がる決意をする。
再起一戦も決まり、記者達が丹下ジムに駆け付ける。
ジョーは西相手に強烈なボディ攻撃を披露!
”生きてた証拠”を見せ付ける。
復帰第一戦は沖島ジムの殿谷浩介。
強烈なボディ攻めで見事1ラウンドKO!
しかし、何かを悟った葉子はある決意をする・・・。
マニアック視点
●段平「ジョー、半年近くもおめえ、何してたんだ。」
戻ってきたジョーを心配し話しかける段平。
顔を洗うジョー・・・。
●『ジョーが帰ってきた…!!』(テロップ表記)
キノコ、大慌てで仲間に伝えるべく急ぐ・・・。
●ジョー「おっつぁんよ、1週間くらい世話になるぜ。」
段平「1週間?1週間ておめえ…帰ってきたんじゃねえのかよ?
俺や西のところによ・・・じゃじゃじゃ、じゃあ、1週間たったらどこへ行く?
どうするつもりなんだよ?」
ジョー「へへへ、だからとりあえず1週間くれえって言ったじゃんか。
ひょっとしたら2週間になるか3週間になるか、そいつはわからねえ。
へへへ、西、ずいぶんと引き締まった身体になったじゃねえか。」
引き締まった西の体。
来週の末には八回戦!
・・・サブタイトルへ。
●壊れた自転車に乗るジョー。
ジョーに会いに来る子供達。
サチ「ジョー!バカバカバカ!どこ行ってたんだよぅ!バカバカバカ~!」
●昼寝と洒落込みジョー帰宅。
屋根裏で新聞の切り抜きを見る。
新聞切り抜き内容
力石徹(白木ジム)リングに死す
過酷な減量と矢吹の強打が生んだ悲劇
白木邸において葬儀
●ちょいとした挨拶回りと題し、出かけるジョー
崖下からとらえたアオリの構図でスロー作画にて駈け去るジョー、
力石の墓の場所での港、カモメ・・・出崎節炸裂!最高!
●力石徹の墓標
ミネラルウォーター(6本)を差し出すジョー
ジョー「見事だったぜ、力石。本当に見事に燃え尽きちまってよ。」
ジョー「へへ、あ、これな。買って来たぜ。ミネラルウォーターってやつだ。」
ジョー「たっぷり飲めや、力石。もう減量の心配ってぇのはねえんだからよ。」
ジョー「あんな、力石。ここまでだ。あれはふっきれたぜ。じゃあな、力石。」
向かって左隣は水谷家墓。
(ジョーらしく(^^;)片付けをせず帰ろうとする!?)
松田家墓前にて白い花束を持った葉子に気付く。
●葉子と会話するジョー
葉子『ありがとう。力石くんの代わりにお礼を言うわ。』
ジョー「よしなょ、おっ死んじまってもまだ自分のモノだとおもっているのかい?
いいから早く花を供べてやんな。」
非常にキツイ一言!(原作の告白シーン的発言ですね)
●”いいから花に早く水をあげなよ”の次カットで
葉子のモミアゲが無くなる。
(かなりアップなので非常に目立ちます。)
去るジョーの後にも同ポジにて使用。(髪動画T.U)
作画で描かなかったとは思えないのでトレスマシンに
もみ上げが出なくて仕上げされたと思われる。(仕上げのミス!?)
●帰宅後、ジョーは段平に試合のカード依頼。
ジョー「おっちゃん。すまねぇけどボクシング協会に出向いてよ。
俺のカード組んでくれよ。再起第一戦のよ、へへっ。」
●町並みマルチ処理
林食料品店のシーンへ
林屋手前には一泊200円の宿あり。
紀子はジョー帰宅を聞きつけ、”上等のコンビーフ3つ”持ち丹下ジムに向かう。
●丹下ジムに到着する紀子。
紀子「紀子です。こんばんは。」
ジョー「よう!」
紀子「こんばんは、矢吹くん。」
ジョー「こんばんは。」
紀子「しばらくだったけど、とても元気みたい。」
ジョー「ああ、紀ちゃんも元気そうじゃねぇか。」
紀子「え、ええ。」
ジョー「相かわらず飯の用意してくれてるんだって?じゃあよろしくな。」
紀子「すぐにご飯の用意するから!」
ジョー「先に始めといてくれや。足がだいぶなまってるから、ちょいとその辺を走ってくらあ!」
・・・お互いちょっと照れくさそうな感じで。
●白木ボクシングジム(SBC)
中は現在散乱としている。
書類の整理中の幹之介
窓の景色
石丸生命看板越し総武線(黄色電車)走る。
葉子がやってくる。
幹之助「葉子、どうしたね、こんなところへ。」
葉子「おじいさまがこちらだとお聞きしたものですから。」
幹之助「ああ。いや、このジムも譲り渡す相手が決まった。
書類の整理を始めねばと思ってな。道楽は力石くんひとりでおしまいだ。」
葉子「しかし、矢吹くんが再起第一戦を行うそうです。」
幹之助「知ってるよ。対戦相手ももう決まったそうじゃないか。」
葉子「それでこの白木ジムをたたむのは、もう少し待っていただきたいんです。
幹之助「どういう意味かね、それは。葉子、何を考えているんだね。」
葉子「お願いです、おじいさま。とにかく、もうしばらく誰にも渡さないでください。」
●6台のブンヤの車が泪橋に止まる。
(内一台、品川56は43-41)
ジョーの噂をするドヤの人々。
ドヤの住民(モデルはディレクターの竹内啓雄さんこと「ゴジラちゃん」)、
ジョーの事を現時点ですっかり忘れている。この場を走り去るジョー。
背景には一泊230円ハウス、百円ハウスもある。
ドヤの応援以下。
『がんばっちゃってょ~若いの~!がんばっちゃうの?、そう・・』
●集まった記者連中達に”生きた証拠”を見せるジョー。
西を相手にスパーリング披露。
強烈なボディ責めで西をマットに沈めるジョー・・・。
●殿谷浩介との再起第一戦!
(戦績14戦12勝1敗1引き分けうち7KOの強打者)
待ってました~喧嘩屋ジョー・・・と叫ぶ観客の左下に出崎監督同席。
ジョー、見事なKO勝ちを収めるが、客席いた葉子は腑に落ちない様子で足早に立ち去る。
葉子「私、帰ります。」
幹之助「葉子?」
反面大喜びの段平。
段平「すげぇぞ、西!ジョーはどえらいボクサーになるぞ!」
ハーモニーショット
★ハーモニー1
ジムのドアを開け外へ出るジョー
★ハーモニー2
サチを載せた自転車を押すジョー。
石でバランスを崩し、土手下へ。
★ ハーモニー3
再起第一戦を頼むジョー。
サンドバッグを叩いてハーモニー化!
透過光のオレンジも使用した美しいハーモニー!
★ハーモニー4
殿谷KOにてレフェリーに手を上げてもらうジョー。
UP、T.Uにてハーモニー
4枚(合計7枚)
注目ポイント
★力石の墓参りのシーンでは劇場版と大きく台詞が異なるのが印象的です。
★ドヤ街住民”ゴジラちゃん”モデルはディレクターの竹内啓雄さん
★殿谷との試合の描写がリアルで作画が美しかったです。
勝ち名乗りを受けている際に立ち去る葉子は鋭い!
★斜めから入り込む透過光、水面の美しさは天下一品!
出崎監督十八番のスロー、港、カモメ等は
ジョン・ウー監督の演出と相通じるものがあります。
『フェイス_/オフ』『M:i-2』、スローと鳥(鳩)の演出で有名。
所持セル画リンク→
スタッフ&キャスト
脚本:篠崎好
絵コンテ:さきまくら
ディレクター:竹内啓雄・大賀俊二
原画:大坂竹志・小柴重光・小林左希子・宮尾岳
関三恵子・新木寿子
動画:前田順子・佐藤由美子・幸田知子
森川明美・伊東緑・矢萩智子
仕上げ:グループジョイ 木村文一・小泉靖子
木村恵子・寒河江智子
背景:小林プロダクション 工藤美由紀・小倉宏昌・海保仁三郎
林裕美子・山本恵子・柴田千佳子
制作進行:増田尚紀
声の出演:矢田稔(林屋主人)、斉藤昌(林屋女将)、
井口成人(記者&レフェリー)、水鳥鉄夫(解説者/東野・ドヤの人)、
小比類巻孝一(アナウンサー)、野本礼三(ドヤの人)