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『ジョー・段平・・・二人の日々』

★第43話/1981.8.3放送/視聴率6.5%★

ストーリー

葉子は力石の墓石の前でジョーが窮地に立たされた事を告げる。

ジョーは葉子を避けるべく、合宿と題してTV関東より、
八ヶ岳山麓にある別荘を借りてトレーニングに励む。
西は店の仕事が多忙な為、段平がスパーリングパートナーに。

葉子は須賀の情報でジョー達の居場所を突きとめ、
車を飛ばし直接に会いに行くが、ロードワークに出かけた
ジョー達が中々帰って来ず、あきらめ帰宅する。

一方ジョー達はロードワーク中に応援団の合宿に出逢い、
ホセ戦への熱いエールを贈られる。

マニアック視点

●力石の墓(港付近 横浜がイメージです)
白い薔薇を墓石に添える葉子。
『こんにちは、力石くん。穏やかな日ね、とても。
何事も無いような・・・あったとしてもそれは、
1日もたてば思い出なってしまうような、
まるで翼を付けて風に舞うように・・・。』
悲痛な表情で力石の墓石を見つめる葉子。
『助けて・・・力石君!あなたと闘い、彷徨い、
そして帰ってきた矢吹丈は今、最悪の状態にあります。
あなたを殺したと言う心の傷が、相手のテンプルを打てないと言う、
困難に落ち入らせその傷をカーロス・リベラと言う、
素晴らしいボクサーとの出逢いでやっと振り切り、
さあこれから・・・と言う時には”減量”との闘い・・・でも、
彼は乗り切りました。
嘗て力石徹というボクサーがいた事を彼を振るい立たせたのです。
力強く、精一杯闘おうとする事に命を燃やそうとする彼・・・。
その彼がよりによって、ボクサーとしての最悪のピンチを迎えたのです。
精神的な困難ならば、彼の事、きっとどのような苦しみを味わおうと、
必ずいつかは乗り越えるでしょう!
・・・でも、今度は違うのです!彼ですらどうする事も出来ないのです。
ボクサーとしてよりも、一個の人間として絶対的な・・・何という皮肉な、
闘うことに全てを賭けてきた彼にとって、何という絶望的な・・・。』
タイトルへ。
●ホセの公開スパーリング
矢吹陣営の姿は無い。
秘密トレーニングの雲隠れ・・・とブンヤ達の推測。
ジョー側の公開スパーリングは中止依頼が段平より出る。
3ラウンド予定だったスパーリングを1ラウンド、
しかもたった3発で強烈なダウンを奪うホセ。
カバレロの質問に対しホセは”矢吹の見ていないスパーリングは
長く続けても意味がないではないか”と発言。
試合まで後2週間。
(このスパーリングは8月3日に行われた事が判明)
●白木ジム会長室
須賀は葉子にジョーの足取りを伝える。
八ヶ岳山麓にTV関東の別荘があり、そこでトレーニング中だと伝える須賀。
この情報はマスコミには知られない様に・・・と伝える葉子。
●葉子はロータスを飛ばして、八ヶ岳へ向かう・・・。
●八ヶ岳の別荘。
西が車で駆け付けている。
(林屋食料品店の車 TEL283 5963)
”すまねぇな、西!新婚旅行から帰ったばかりだってのにさ!”
とジョー。
”仕方おまへんな、気むずかしい友達を持った報いや境な!”
とサンドバッグを吊しながら話す西。
●段平、林屋の車から荷物を運んでくる。
”おい、ジョー!車の中にまだ荷物が入ってるんだ!少しは手伝わんか!”
と段平。(林屋のミカンの絵が書かれた段ボールを抱えている段平。)
はいはいはい!・・・と外に飛び出すジョー。
●トレーニングをするジョー。(時間15:06頃)
サンドバッグ、縄跳び、段平相手にパンチング、そして柔軟でシャワー。
●西は”何でこんな所に来たのか?”と段平に質問。
”TV関東が使ってない山荘があると言ってくれたから”と段平。
西はそうではなくて”この時期になんで丹下ジムより設備の劣る
ここへ来たのか?”と再度聞き直す。
”ジョーは電話がなり、落ち着いてジムで練習出来ない”と伝える段平。
どのみち相手はホセ・・・リラックスさせるにはいい・・・と段平と西。
●ベッドで休むジョー。
葉子の言葉を思い出す。
(もう一つの事実を言うので直接逢って欲しい・・・)
●夕食の支度をする段平。(なぜか左手で包丁を・・・)
たっぷり寝た・・・と起きてくるジョー。
西は仕事があるので引き上げている。(明後日に又来る予定)
”林屋次期社長としちゃ、色々ろ大変な訳だな!”とジョー。
●外へ出て、手すりを使い倒立するジョー。
●山荘へ向い、高速走行中の葉子のロータス(品川22 ひ11-73)
●西がいないので段平とスパーリングをするジョー。
”久し振りに20は若返ったつもりで本気を出すぞ!”と段平。
しかし、ジョーの強烈なボディブローを受けダウンする段平。
カウントを数えるジョー。
(イレブンまで数えて段平に次ぎは何だっけ?と聞くジョー
段平はPMだよ~と返答)
カウント37でかろうじて立ち上がる段平。
(ちょっとおふざけなジョー。)
解説しながら余裕で交わしていたジョーだが、段平のストレートを喰らって、
リング外に飛ばされてしまう・・・。
”どうだ!ワシだってまだ捨てたもんじゃねぇだろう!”と得意気な段平。
”へへ~っ!全くだぁ!まだ全日本のランキング位はねらえそうだよ!”
とジョー。
”調子が出てきたぞぉ!”と張り切る段平。
”へへっ、デビューしたての頃を思い出すぜ!”とリングに戻るジョー。

●Bパート
激しいジョーと段平のスパーリングが続く。
段平はつい逆上していしまい、反則攻撃に・・・。
”ちょっとまってくれよ”と言うジョーを追いかけ回す・・・。
ジョーはリング外へ逃げ出す。
”悪い悪い・・・ついその~興奮しちまってな!
さあ中入れ!今度はまじめにやる”と段平。
”カーン!今日のスパーリングはこれまで!”とジョー。
(は~い、としょぼくれる段平が可愛い(^^) )
●葉子が山荘に近づく・・・。
山道を走るロータス・ヨーロッパ
●”運がある男だと思う・・・”と段平。
ボクシング雑誌を見ながら不思議がるジョー。
段平がドヤ街でジョーを見たときの回想シーンへ。
”ヤクザ相手に派手にやっているオメエを見てよ、目ばっかギラギラして、
まるで腹へらした野良犬みてぇに・・・あの野良犬がよぉ、
まさか、まさかなぁって、ここまでボクシングってやつにのめり込んでくれるとはなぁ”
(ヤクザとの健闘から、100円宿看板のかかった屋根から見下ろす段平。
ジョーに健闘を勧めるシーンまで完全リメイク)
”もしあん時オメエに出会わなければワシの人生は、
100円ハウスのベッドの上で飲んだくれて終わってた。
それが自分の育てた選手のセコンドとして世界タイトルマッチのリングに登れるんだ。
こんな夢みてえな事・・・ありがとう、ジョー。ワシゃ本望じゃ。”
段平、泣き出しジョーへ土下座まで・・・。
”よしてくれよ、おっつあん。ありがてぇと思っているのは俺の方なんだからよ”
とジョー。
えっ?と顔を上げる段平。
”おっつぁんがいなかったらよ、俺には力石もカーロスも、そしてホセもいなかった
もし、もしもよ、俺がボクシングってヤツとつまり、
おっつぁんと出会ってなかったら、どうなってたかな?”とジョー。
”どうなってた?”と聞く段平。
しかし”考えつかねぇよ”とジョー。
●ジョーは外へ飛び出し、”おつなもんだぜ!月夜のロードワークだぁ!”と叫ぶ。
おっつぁん、山道だ!着いてくると腰痛めるぜ!とジョー。
”てやんでぇ!”と叫び後を追う段平。
●葉子のロータスが入れ違いでTV関東別荘に到着。(杉並22ひ11-73)
灯りがついている別荘にノックをする葉子。
●ジョーは山道をロードワーク中。
ヘロヘロの段平が後を追う・・・。
しかし、段平は疲れ果て倒れてしまう。
ジョーは気にして立ち止まるが、段平は”休むんじゃねぇ!先行け!”と指示。
嬉しい筈の段平だが一抹の不安が残る・・・自分にしかっりしろと激を飛ばす。
●ジョーは段平との距離がついたので、ちょっと一息し、草むらに寝そべる。
”もし、俺がボクシングと出会ってなかったら?”と自問するジョー。
(倒れ込んだ時に顔手前Bセルの草&花の動きがGOOD)
”ボクシングを知らねぇ俺が何を考えていたのか思い出せねぇ”とジョー。
一日500円昼寝付き条件を段平に提示する回想シーンリメイク。
(ジョーのシャツが青になったり赤くなったりの色指定ミスあり)
●段平はジョーを見失い”台東区泪橋の矢吹く~ん”と叫ぶ。
●ジョーは段平が遅い事を気にしつつ、力石の事を思いふける・・・。
力石が少年院を退院するシーンのリメイク。
緑のシングルのスーツ(サイドベンツ)構図や動きの演出はTV1時そのまま。
”今思うとどうって事はねぇ。男と男が精一杯背伸びして、
精一杯意地張って殴りっこしただけだ。ただそれだけだった
・・・そして、ただそれだけが、相手に対して精一杯になれるって事、
それだけが、どれほど貴重な事なのかって事を教えてくれたのが、
・・・力石、オメエだったんだよ!”
力石のKOシーン作画(1話)BANK挿入
●ジョー寝ている状態から倒立へ。(しかも坂)
”何やってんのかな、おっつぁん、バテて先帰っちゃったのかな?”とジョー。
●ノックの返事が無かった葉子は別荘の鍵が開いていたので中に入る。
ボクシングの道具や食器の後を見て、先程までいたことを確信し、
外に停めたロータスの中で待つことを決意。
(ラジオをつけて、シートを倒す)
●ジョーは川の水を飲んだ後、林奥の灯りに気付く。
●段平は応援団がテントを張って合宿をしている所で一緒に一杯混ぜて貰っている。
段平はワシらも合宿なんだと応援団達に伝えると、そこにジョーが来る。
”あれがワシの教え子!”と指さす段平。
応援団達は”矢吹丈”だという事に驚く。
応援団長はジョーの前に全員を整列させ、”世界タイトルマッチ矢吹丈選手に熱唱!”と叫ぶ。
●困るジョーに応援団達はその場で熱唱!
”フレーフレー矢吹!打倒ホセ・メンドーサ!矢吹丈必勝を祈りつつ、ファイト!”と応援。
●”頑張って下さい!矢吹さん!”と応援団達に囲まれるジョー。
”ありがとうよ、みんな。どうなるかは別として、俺はやれるだけの事は全てやる。
そいつだけは約束する。判子を押してもいいぜ!”とジョー。
一同大笑い。
”ジョーのビッグファイトに乾杯だ!”と段平。
●葉子は待てども帰宅しない矢吹陣営を後に仕方なく帰宅する・・・。
●段平はその後酔いつぶれ、ジョーに肩をかりて戻ってくる。
”コークスクリューがなんだぃ!”と段平。
”いいか、ジョー!恐れることはねぇ、いくら完璧と騒がれたって相手は人間だ、
ワシと同じ、オメエと同じ人間だよ、ジョー!”とちょっとロレツが回らない状態で話す段平。
”わかってる・・・わかってるって”とジョー。

ハーモニーショット

★八ヶ岳山麓のTV関東の別荘
段平、林屋の車から荷物を運んでくる。
”おい、ジョー!車の中にまだ荷物が入ってるんだ!少しは手伝わんか!”
と段平。(林屋のミカンの絵が書かれた段ボールを抱えている段平。)
はいはいはい!・・・と外に飛び出すジョー。
階段を降りて車に向かうジョー。T.Bハーモニー(1)
★段平とスパーリングをするジョー。
解説しながら余裕を見せていたジョーだが、
段平のストレートを喰らって、リング外に飛ばされてしまう・・・。
”どうだ!ワシだってまだ捨てたもんじゃねぇだろう!”と得意気な段平。
”へへ~っ!全くだぁ!まだ全日本のランキング位はねらえそうだよ!”
とジョー。
”調子が出てきたぞぉ!”と張り切る段平。
”へへっ、デビューしたての頃を思い出すぜ!”とリングに戻るジョー。
ジョーが着地した途端、T.Bハーモニー(2)
★段平はその後酔いつぶれ、ジョーに肩をかりて戻ってくる。
”コークスクリューがなんだぃ!”と段平。
”いいか、ジョー!恐れることはねぇ、いくら完璧と騒がれたって相手は人間だ、
ワシと同じ、オメエと同じ人間だよ、ジョー!”とちょっとロレツが回らない状態で話す段平。
”わかってる・・・わかってるって”とジョー。
ジョーと段平の顔O.L (アップ)ハーモニー(3)
★ジョーが段平をかついでいるカット全身。(ロング)T.Bハーモニー(4)

4枚 (合計341枚)

注目ポイント

★力石の墓に白い薔薇を添える葉子。
この時、葉子を包み込むようにBGは白い透過光。
実はこの透過光は高橋プロにて撮影中に露出オーバーでリテイクを出す予定だった様です。
しかし、この光を見た出崎監督は葉子の気持ちが全面に表れた演出効果とし、
このテイクを生かした様です。

高橋宏固さんに実際にお話を伺った所、演出効果というより、
撮影のプロしてあの処理は納得いかないので、
逆にリテイクを志願したようですが、ダメだった様です。(^^;
(撮影監督としての立場から、リテイクにしたかった様です・・・(^^; )
絶対の正解が無い出崎監督ならではの思わぬ演出効果となった様です。

★矢吹陣営雲隠れ!
八ヶ岳山麓のTV関東の別荘にてジョー、段平二人の日々・・・。
西は荷物の手伝いをしに来るが店が多忙なためすぐに帰宅。
段平、料理を作る際になぜか左手で包丁さばき。(段平は右利き)

★TV1の時のリメイクカット
ヤクザとの乱闘シーン
ジョーに言い寄る段平のシーン
一日500円昼寝付き条件を提示するシーン
力石が少年院を退院するシーン

★応援団長は千葉繁氏が声をあてる。
他に千葉氏は神田や青山もあててます。

所持セル画リンク→

スタッフ&キャスト

脚本:篠崎好

絵コンテ:さきまくら

ディレクター:竹内啓雄・大賀俊二

原画:札木幾夫・本木久年・大橋学・平山智・大塚伸治
   小林慶輝・森本晃司・福島敦子・塚田信子・児玉兼嗣
動画:加藤涼子・高奥誠也・吉田悦子・佐々木章子・小沢尚子
   金子茂子
仕上げ:スタジオロビン 大野八重子・三木貴子・世良深雪
    下條潤子
撮影:高橋プロダクション 宮内征雄・大田勝美・平山昭夫
   安津畑隆・小林武男
   
制作進行:横溝隆久

声の出演:池田史比呂(カバレロ)、井口成人(新聞記者)、池水通洋(新聞記者)、
       千葉繁(団員)、豊田真治、中村秀利、友生隆久

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